第18話 付録 いも飴の作り方

文字数 1,190文字

NHKの朝の連続ドラマで、サツマイモ飴の作り方が出てきたようです。

いも飴について整理しおきます。

2018/06/18の日本いも類研究会のWEB「Q いも飴の作り方を教えてください」には、「芋類加工の理論と實際」(昭和22年 尾崎準一編)の引用がのっていますので、転用します。

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1. 生いもを原料とした麦芽飴
(乾燥麦芽を加える方法で、途中を省略します)
いも飴の収量は生いも1kgから水飴が230~330g程度である。
 
2. 麦芽を使わないいも飴
生いもと同量の水を80℃に温め、生いもを卸金で擦りこむ。この際、温度を60~80℃に保ち、すりおろしたものがすぐ半糊化程度になるようにする。
すりおろした芋はすぐ湯に入れないと着色するので注意を要する。
いもを全部おろし込み、80℃以上にならないように注意しながら十分に糊化させ、粥の固さくらいにする。
次に60~80℃の恒温槽に数時間入れて糖化させ、その後一度煮沸して布袋でこし、その濾液を煮詰めて上に浮遊してくる汚物を2~3回すくい取り、濃縮すればきれいな飴ができる。
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焼き芋に関連するのは、2.と思われます。

焼き芋といも飴の違いは、いも飴では、サツマイモをすりおろすことです。
サツマイモはすりおろされていますので、ペクチンが硬化する心配はありません。

ここでの、ポイントは、「温度を60~80℃」です。

焼き芋の場合には、次の3種類の温度に配慮すべきと言われています。

でんぷんが糊化する温度 65~75℃、70~75℃
β-アミラーゼが活性化する温度 65~75℃
β-アミラーゼが活性を失う温度 70℃

これが、正しいとすると、「温度を65~70℃」にする必要があります。
「温度を60~80℃」が、正しいとすれば、次のように書き換えるべきです。

でんぷんが糊化する温度 60~80℃
β-アミラーゼが活性化する温度 60~80℃
β-アミラーゼが活性を失う温度 80℃


なお、焼き芋の場合には、ペクチンを軟化させる必要があり、80℃にする必要があります。

つまり、いも飴の温度管理は、焼き芋より、ずっと単純です。


- Q いも飴の作り方を教えてください。 2018/06/18 日本いも類研究会
https://www.jrt.gr.jp/q_a/spqa_imoame/

- サツマイモ水飴の作り方
https://ws-plan.com/mizuame/satumaimoame.html

- サツマイモを蒸した際のマルトース生成に及ぼす塊根のβ-アミラーゼ活性およびデンプン糊化温度の影響 2014 中村善行,藏之内利和,高田明子,片山健二
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/61/12/61_577/_pdf


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