第42話 地には平和を

文字数 611文字


公衆トイレで、「隣接しているウォシュレットリモコンの信号を受けて誤作動が発生、予期せぬ臀部の洗浄に大慌て」のニュースを拝見して、ある一家を襲った惨劇を思い出したので ……



とある、御兄弟の弟さんが、ある日、
ふと、このような疑問を抱いたのだそうです。
「リモコンを使って ( トイレの ) 外からウオシュレットを作動させられるのか?」
テレビのリモコンは窓の外から作動できたので、
実験してみようと思った彼は、
リモコンを隠し持ち、誰かがトイレに入るのを待っておりました。
ガチャ
廊下からドアを開閉する音がしたので、
忍び足でトイレの前に行き、
外から、中の人物が便座に腰を下ろした様子を伺い、
ドア前でリモコンの「洗浄ボタン」をぽちっと、

「おわあああぁあ!」
兄の雑巾を引き裂くような悲鳴が聞こえたそうです。
トイレのドアをものともせず、
リモコンが機器を作動させた結果、
驚いて、便座から腰を浮かせた兄を水流が直撃、
御手洗い内部も兄もべしょべしょに、

そして惨劇の後、兄は復讐の鬼と化し、
リモコンを常に携帯し、弟がトイレに入るのを待ち構えておりました。
弟は報復を恐れ、我慢をしておりましたが、
自然現象には逆らえず、
ついにお手洗いに …

惨劇は繰り返されました。
いえ、折悪しくタイミングが悪く、一度目の悲劇よりも
もっと恐ろしいことが …
御手洗い内は汚染され、
母の怒りは怒髪天を衝く勢いであったと言います。

復讐は何も生まない、
平和が何よりでございます。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み