第16話 影

文字数 303文字

 友人の田舎は本家で、大きな古い古民家だったそうだ。
 今はもうきれいな二世帯住宅になっているが、友人が小学校のころは高い天井に太い梁が堂々としており「ちょっとしたものだったんだよ」と思い出話をしてくれた。

 小学生の夏休み、両親と田舎に出かけ、泊まることになった。
 祖父、祖母は歓迎してくれ、いとこと遊んで楽しく過ごした日の夜。
 夕食後に、見るともなく天井を見上げると、梁の上に大きな蛇がいたのだそうだ。
 皆で驚いていると、蛇はするすると天井の暗がりに消えていった。
 その夜、
 お手洗いに起きて廊下を歩いていると、足の下で廊下が動いた。
 
 驚いて足元を見ると、
仄暗い廊下を黒い蛇の影だけが、
横切って、消えた。
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