第1話 ガサガサ

文字数 212文字

 祖母が、その祖父である住職から聞いた話。
 
 お寺の塀の外を竹ぼうきで掃いていたら、塀の中から音がする。
 ガサガサと落ち葉をかき分ける音がしきりとするので、野犬か狸だろうと思っていたら、音は近づいてくる。
 ガサガサという音も大きくなり、落ち葉をかき分けたり、歩いているというより転がっていると形容したほうが良いほどだ。
 意を決して、塀の裏側に回ってみたが、そのような音を発するものは無く、
 何故か、南瓜がひとつ転がっていた。
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