第38話 奇談散歩 ⑥
文字数 297文字
墨田区・多聞寺
東部伊勢崎線、鐘ヶ淵駅に近い多聞寺には狸塚があり、ここに住んでいた狸夫婦の伝説が今も伝わっている。
昔、多聞寺は旧奥州街道筋にあって、隅田寺と呼ばれており、当時は不動尊を本尊としていた。ある時、このお寺の和尚の夢枕にお不動さまが立ち「隠居して毘沙門天と交替する」と告げた。そこで現在の地に毘沙門堂を建て、多聞寺と改名、その際に本堂前の松の木を切り倒した。ところが、この松の木は狸夫婦の住処で、怒った狸は妖術で人々を驚かせ反撃する。しかし、大入道に化けたところを毘沙門天に仕える童子に打ち据えられ死んでしまった。和尚は二匹を哀れに思い、松の根元に葬って塚を築いて供養したという。
東部伊勢崎線、鐘ヶ淵駅に近い多聞寺には狸塚があり、ここに住んでいた狸夫婦の伝説が今も伝わっている。
昔、多聞寺は旧奥州街道筋にあって、隅田寺と呼ばれており、当時は不動尊を本尊としていた。ある時、このお寺の和尚の夢枕にお不動さまが立ち「隠居して毘沙門天と交替する」と告げた。そこで現在の地に毘沙門堂を建て、多聞寺と改名、その際に本堂前の松の木を切り倒した。ところが、この松の木は狸夫婦の住処で、怒った狸は妖術で人々を驚かせ反撃する。しかし、大入道に化けたところを毘沙門天に仕える童子に打ち据えられ死んでしまった。和尚は二匹を哀れに思い、松の根元に葬って塚を築いて供養したという。