第27話 多い

文字数 523文字

 高校時代の話 国語の先生の授業中の雑談。
 その先生は学生時代ラグビーをやっていてスポーツマンで体格も良い先生だった。
 授業中の雑談も楽しい話が多く、生徒に人気があったように思う。
 ある日、先生は大学時代やたらと死体に遭遇した時期があってな、と話し始めた。
 スキーに行くと行方不明者が出て、捜索隊と一緒に探して、その日のうちに発見したけど、若い人だったので可哀そうだったな、発見したのが俺だったから一緒に運ぶ羽目になったよ。木立の間で雪に埋もれていた、道に迷ったのかな。
 それで、夏休みは、海に行くと海が荒れて泳げなくなって、みんなで民宿で籠ってたら、やっぱり行方不明者が出て、捜索は皆で手伝うことになった。
 また俺が海中で発見して、髪の長い女性だったから最初は海藻かと思ったな。
 引き上げるのが大変だった。生きている人と違って、向こうから掴んでくれないから、捜索隊の人と3~4人がかりですごく重かった。
 最後は、テストだかレポートで徹夜明けの日に、目の前で交通事故があって、頭部の外傷がひどくて、脳の一部が目の前まで飛んできて、腰を抜かしそうになったよ、
 一年の間に三人はやっぱり多いかな、その後はそんな年もないんだけどね。
 と、先生は結んだ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み