第三項 クレナとの出会い
文字数 1,061文字
アクセルを思いっきり踏み込んで、僕はバルザタール村に突入しました。途中にいる国連軍の兵士を猛烈な勢いで跳ね飛ばしながら、村の広場に突っ込むのです。
一方的な虐殺を行い、すでに村を占拠した国連軍は、勝利で一服している状況でした。だから、国連軍のワゴンが奇襲をかけてきたとき、思考が止まって対応が遅れました。
僕は何人もの兵士を跳ね飛ばし、広場に着くと車を降りました。そして処刑していた兵士たちを、M16で蜂の巣にしたのです。ここまので事態になって、ようやく兵士たちの時間が動き始めました。僕を敵と認識して、一斉に襲いかかってくるのです。
僕はM16を乱射しながら、車から離れるように走りました。そして銃を捨て、ナイフで敵兵の中に飛び込んだのです。兵士たちは同士打ちを恐れて、銃を撃てなくなりました。そんな彼らの頚動脈や喉仏を、素早く流れるように切り裂いていきました。そしてナイフを投げて離れた兵士を仕留めると、落ちていたライフルを拾って撃ちまくるのです。
「な、なんだあいつは?」「アルビジョワの人間じゃないぞ?」「ゲリラか?ロシアの連中か?」
そんな声がこだまする中、僕はひたすら戦いました。国連軍側で磨いた戦闘マシーンとしての性能を、国連軍に対して発揮したのです。
そんな僕を恐れた国連軍は、装甲車で向かってきました。バルザタールの村民ごと吹っ飛ばそうと、ロケットランチャーの銃口がこちらを向きます。僕が避けても、村民は吹き飛んでしまう。ワゴンのある方向に撃たれたら、リジルとフェルトが死んでしまう……
僕の頭にそう過ぎった刹那、装甲車が射撃体勢に入りました。止められない。避けても誰かが死んでしまう。追い詰められた僕は、ただ気持ちだけが高速で、いや、光速で動いていた。
自分の中から光が放出されるかのような感覚にとらわれて、銀色の悪魔が飛び出した。そう、僕の身体から飛び出したんだ。それが装甲車の前に立ちはだかり、左腕を振り上げて、振り下ろした。
たったそれだけのことだった。銀色の人影が、化け物が、腕を振り上げて、勢いよく振り下ろしたのだ。ただそれだけのことで、装甲車の砲身がひん曲がり、あらぬ方向に発砲した。隣接する装甲車に着弾するか、炸薬が暴発し、3台の装甲車は一瞬で大破した。
何が起きたのか、僕自身にもまだよくわかっていなかった。そしてひとりだけ、彼女だけ、この光景を目の当たりにしていた。処刑されそうになっていたレジスタンスの女性。クレナ・ティアスだけが、僕の背中を見つめていた。
一方的な虐殺を行い、すでに村を占拠した国連軍は、勝利で一服している状況でした。だから、国連軍のワゴンが奇襲をかけてきたとき、思考が止まって対応が遅れました。
僕は何人もの兵士を跳ね飛ばし、広場に着くと車を降りました。そして処刑していた兵士たちを、M16で蜂の巣にしたのです。ここまので事態になって、ようやく兵士たちの時間が動き始めました。僕を敵と認識して、一斉に襲いかかってくるのです。
僕はM16を乱射しながら、車から離れるように走りました。そして銃を捨て、ナイフで敵兵の中に飛び込んだのです。兵士たちは同士打ちを恐れて、銃を撃てなくなりました。そんな彼らの頚動脈や喉仏を、素早く流れるように切り裂いていきました。そしてナイフを投げて離れた兵士を仕留めると、落ちていたライフルを拾って撃ちまくるのです。
「な、なんだあいつは?」「アルビジョワの人間じゃないぞ?」「ゲリラか?ロシアの連中か?」
そんな声がこだまする中、僕はひたすら戦いました。国連軍側で磨いた戦闘マシーンとしての性能を、国連軍に対して発揮したのです。
そんな僕を恐れた国連軍は、装甲車で向かってきました。バルザタールの村民ごと吹っ飛ばそうと、ロケットランチャーの銃口がこちらを向きます。僕が避けても、村民は吹き飛んでしまう。ワゴンのある方向に撃たれたら、リジルとフェルトが死んでしまう……
僕の頭にそう過ぎった刹那、装甲車が射撃体勢に入りました。止められない。避けても誰かが死んでしまう。追い詰められた僕は、ただ気持ちだけが高速で、いや、光速で動いていた。
自分の中から光が放出されるかのような感覚にとらわれて、銀色の悪魔が飛び出した。そう、僕の身体から飛び出したんだ。それが装甲車の前に立ちはだかり、左腕を振り上げて、振り下ろした。
たったそれだけのことだった。銀色の人影が、化け物が、腕を振り上げて、勢いよく振り下ろしたのだ。ただそれだけのことで、装甲車の砲身がひん曲がり、あらぬ方向に発砲した。隣接する装甲車に着弾するか、炸薬が暴発し、3台の装甲車は一瞬で大破した。
何が起きたのか、僕自身にもまだよくわかっていなかった。そしてひとりだけ、彼女だけ、この光景を目の当たりにしていた。処刑されそうになっていたレジスタンスの女性。クレナ・ティアスだけが、僕の背中を見つめていた。