第二項 夢から醒めて
文字数 766文字
「…び…まえ…るか…ざんこ…に…か」
「なんだよ、なに言ってるかわかんないよ。というか、あなたは誰ですか?」
夢の中でであった男性は、僕に何かを語りかけてきました。でも、あまりよく聞こえません。
「選びたまえ……」
「選ぶ?」
「このまま瞳を閉ざし死を受け入れるか。それとも……残酷な生に目覚めるか」
「それって、生きるか死ぬか、選べってこと?」
随分ストレートな夢だと思いました。事故にあって死にかけて、そのまま死ぬかを選べだなんて。
「なんだよ、訳分かんないよ」
でも、死ぬかと聞かれて、「はい。死にます」とは言えません。僕は彼を見つめて文句を言いました。すると
「……選択はなされた……」
沈黙の後彼は呟き、僕から遠ざかっていきます。いやいや、まだ何も選択してないし!
離れて行く彼を、僕は追いかけました。でも、どんなに一生懸命走っても、全然前に進みません。みなさんも経験ありませんか?何かに追いかけられる夢とかで、どんなに頑張っても逃げられないやつ。それと同じタイプの夢に、僕はいるようです。
「ちょっ、待ってくれよ!」
彼はそのまま、はるか向こうへと行ってしまいました。滑るように進んでいって、何かが幾何学模様が光って見える、空間の境目みたいなところをすり抜けていきました。僕はそれを必死で追いかけました。追いかけたけど間に合わなくて、いつの間にか、その幾何学模様たちに囲まれていました。
それぞれが異なる色で輝いて、僕を照らしています。僕を照らしながら
『やっと会えたね』
そんな声が聞こえた気がします。何が起きたのか、この夢にどんな意味があるのかわからないまま、僕はそこから追い出されてしまいました。だんだんと身体の感覚が、痛みが僕に戻ってきて
「あ、気がついたのね」
僕は、白い天井の病室で目を覚ましました。
「なんだよ、なに言ってるかわかんないよ。というか、あなたは誰ですか?」
夢の中でであった男性は、僕に何かを語りかけてきました。でも、あまりよく聞こえません。
「選びたまえ……」
「選ぶ?」
「このまま瞳を閉ざし死を受け入れるか。それとも……残酷な生に目覚めるか」
「それって、生きるか死ぬか、選べってこと?」
随分ストレートな夢だと思いました。事故にあって死にかけて、そのまま死ぬかを選べだなんて。
「なんだよ、訳分かんないよ」
でも、死ぬかと聞かれて、「はい。死にます」とは言えません。僕は彼を見つめて文句を言いました。すると
「……選択はなされた……」
沈黙の後彼は呟き、僕から遠ざかっていきます。いやいや、まだ何も選択してないし!
離れて行く彼を、僕は追いかけました。でも、どんなに一生懸命走っても、全然前に進みません。みなさんも経験ありませんか?何かに追いかけられる夢とかで、どんなに頑張っても逃げられないやつ。それと同じタイプの夢に、僕はいるようです。
「ちょっ、待ってくれよ!」
彼はそのまま、はるか向こうへと行ってしまいました。滑るように進んでいって、何かが幾何学模様が光って見える、空間の境目みたいなところをすり抜けていきました。僕はそれを必死で追いかけました。追いかけたけど間に合わなくて、いつの間にか、その幾何学模様たちに囲まれていました。
それぞれが異なる色で輝いて、僕を照らしています。僕を照らしながら
『やっと会えたね』
そんな声が聞こえた気がします。何が起きたのか、この夢にどんな意味があるのかわからないまま、僕はそこから追い出されてしまいました。だんだんと身体の感覚が、痛みが僕に戻ってきて
「あ、気がついたのね」
僕は、白い天井の病室で目を覚ましました。