第四項 帰宅
文字数 976文字
渋滞もなく、40分程で神奈川の自宅に着きました。うちは一軒家で、サラリーマンの父と専業主婦の母、僕、そして忘れちゃいけないペットのコロマル(柴犬)の四人(?)家族だ。
「ただいま…」
玄関を上がった時、いつも真っ先に駆け寄ってくるコロマルが見当たりません。それどころか、何かが腐ったような、鼻を突く嫌な臭いがします……
何とも言えない違和感、胸騒ぎのようなものを感じながら、僕は居間にいきました。そこには両親がいて、父は新聞を読んで座っています。母は居間のとなりの台所で、何か料理をしています。
「あの……ただいま……」
今のテーブルに着いた僕に、ふたりは声をかけてくれません。やばい、怒ってるのかな?と父の方をチラ見します。あれ?ここでもなんというか、違和感が……
もう10時を過ぎようとしているのに、どうして父さんは家にいるんだろう?会社が休みなら、ワイシャツを着ているのも変だし……あれ?父さんの新聞……
「父さん……こんな時間に家にいていいの?それと新聞、一昨日の日付じゃない?」
そんな僕の問いかけに、父さんは答えませんでした。答えなかったけど
「お前どこに行ってたんだ。連絡もよこさないで」
怒ってるのか、声が震えています。
「ごめん、実は」
僕が説明しようとすると、父さんは急に震えだしました。怒りで身体が震えているというより、激しく振動し始めました。
「連絡もせず……お前は悪い子だ!」
父が新聞を引きちぎり
「悪い子には、おしおきが必要だなぁ!」
叫んで立ち上がりました。そのまま大きな鬼(体長2メートル以上?)になって、いきなりテーブルを叩き割りました。
テーブルの上のお皿やコップが飛び散り、床に落ちて割れました。そんな父のビックリな姿を見て、僕は頭が真っ白になりました。
「あら、あなた……お説教はご飯の後にしましょうよ。せっかくのスープが冷めてしまうわ」
そう言って母が近づいてきました。いくら天然気味の母でも、父が巨大化したんだから、もう少し驚くべきだと思います。思いましたけど、そんな母を見て、僕の方が驚いてしまうのです。だって……
「ほら、コロちゃんがこんなにも美味しそうなのに」
母の手にはスープが入った圧力鍋があり、中央に何かが突き出していました。そう、さっきから姿が見えない、大事な家族、コロマルの顔が……
「ただいま…」
玄関を上がった時、いつも真っ先に駆け寄ってくるコロマルが見当たりません。それどころか、何かが腐ったような、鼻を突く嫌な臭いがします……
何とも言えない違和感、胸騒ぎのようなものを感じながら、僕は居間にいきました。そこには両親がいて、父は新聞を読んで座っています。母は居間のとなりの台所で、何か料理をしています。
「あの……ただいま……」
今のテーブルに着いた僕に、ふたりは声をかけてくれません。やばい、怒ってるのかな?と父の方をチラ見します。あれ?ここでもなんというか、違和感が……
もう10時を過ぎようとしているのに、どうして父さんは家にいるんだろう?会社が休みなら、ワイシャツを着ているのも変だし……あれ?父さんの新聞……
「父さん……こんな時間に家にいていいの?それと新聞、一昨日の日付じゃない?」
そんな僕の問いかけに、父さんは答えませんでした。答えなかったけど
「お前どこに行ってたんだ。連絡もよこさないで」
怒ってるのか、声が震えています。
「ごめん、実は」
僕が説明しようとすると、父さんは急に震えだしました。怒りで身体が震えているというより、激しく振動し始めました。
「連絡もせず……お前は悪い子だ!」
父が新聞を引きちぎり
「悪い子には、おしおきが必要だなぁ!」
叫んで立ち上がりました。そのまま大きな鬼(体長2メートル以上?)になって、いきなりテーブルを叩き割りました。
テーブルの上のお皿やコップが飛び散り、床に落ちて割れました。そんな父のビックリな姿を見て、僕は頭が真っ白になりました。
「あら、あなた……お説教はご飯の後にしましょうよ。せっかくのスープが冷めてしまうわ」
そう言って母が近づいてきました。いくら天然気味の母でも、父が巨大化したんだから、もう少し驚くべきだと思います。思いましたけど、そんな母を見て、僕の方が驚いてしまうのです。だって……
「ほら、コロちゃんがこんなにも美味しそうなのに」
母の手にはスープが入った圧力鍋があり、中央に何かが突き出していました。そう、さっきから姿が見えない、大事な家族、コロマルの顔が……