第七項 アルビジョワをはなれて
文字数 610文字
炎が消えたとき、立ち上る煙すら消えてなくなろうとしたとき、僕の背後に彼女がいた。
「始めまして。アザリア様より遣わされました、スメラギと申します」
軍服姿の聡明そうな女性が、涙を流す悪魔の後ろに立っていた。
「アザリア?」
「貴方を逃がそうとした、少年のような風貌の男性です。覚えていらっしゃいますか?」
アルビジョワに向かうときに、飛行機をジャックした連中の親玉。彼の顔を僕は思い出していた。
「そのアザリアさんの部下が、僕になにか?」
「一緒に来てください。我々には、貴方を保護する用意があります」
この状況で僕を保護するって?何を言っているんだこの女は?僕は彼女を敵と見なし、殺してこの場を去ろうと考えました。でも
「パ~パ~!」
フェルトの声が聞こえた気がして、動けなくなりました。
スメラギと名乗った女性の後ろから、フェルトを抱っこしたリジルが駆けて来ます。リジルとフェルトは無事だったのです。
「パ、パ~パ~」
僕は泣きながら2人を抱きしめました。涙が溢れ、全身の力が抜けて、ただただ焼け野原で泣いていました。
「クレナさんのことはごめんなさい。彼女も一緒に保護したのですが、貴方を連れてくるといって飛び出してしまったの……」
僕は泣き続けました。ただただ泣き続けました。
「一緒に行きましょう……貴方には、休息が必要だと思います」
そういってスメラギは、僕たちをアザリアのもとへ誘うのです……
「始めまして。アザリア様より遣わされました、スメラギと申します」
軍服姿の聡明そうな女性が、涙を流す悪魔の後ろに立っていた。
「アザリア?」
「貴方を逃がそうとした、少年のような風貌の男性です。覚えていらっしゃいますか?」
アルビジョワに向かうときに、飛行機をジャックした連中の親玉。彼の顔を僕は思い出していた。
「そのアザリアさんの部下が、僕になにか?」
「一緒に来てください。我々には、貴方を保護する用意があります」
この状況で僕を保護するって?何を言っているんだこの女は?僕は彼女を敵と見なし、殺してこの場を去ろうと考えました。でも
「パ~パ~!」
フェルトの声が聞こえた気がして、動けなくなりました。
スメラギと名乗った女性の後ろから、フェルトを抱っこしたリジルが駆けて来ます。リジルとフェルトは無事だったのです。
「パ、パ~パ~」
僕は泣きながら2人を抱きしめました。涙が溢れ、全身の力が抜けて、ただただ焼け野原で泣いていました。
「クレナさんのことはごめんなさい。彼女も一緒に保護したのですが、貴方を連れてくるといって飛び出してしまったの……」
僕は泣き続けました。ただただ泣き続けました。
「一緒に行きましょう……貴方には、休息が必要だと思います」
そういってスメラギは、僕たちをアザリアのもとへ誘うのです……