第8話:絹ちゃんの秘めた能力

文字数 1,702文字

「良い名前だね、君の雰囲気にぴったりな名前だよと言った」
「学校はと聞くと関西大学心理学科を卒業したと話した」
「実は、私、小さい頃から、良く、正夢を見るのよと言った」
「なぜ正夢を見るのか、何か心の病を持っているのではないかと怖くなった」

「しかし、その答えを知るために心理学に興味を持ち、自分を知るために猛勉強し関西大学心理学科に入った」
「大学の先生に調査してもらうと感受性が豊かであり人の素振り行動から相手の今後の行動予想と察する力が、非常に強いと言われた」

「実はね、名古屋で付き合っていたバーテンの彼も交通事故で亡くなる前、彼と別れる時、何か、今度、もしかしたら会えなくなるかもしれないという妙な予感がしたわ」
「怪談話には、ちょっと、まだ早いぞと、言うと茶化さないで本当の事だからと言った」
「すると、丹下が、僕の将来どうなるか、見てと言うと彼女が真剣な顔に変わった」

「4,5分じっと、眺めて、あんた、強運の持ち主で、将来、何か、でかい事をするよ」
「それは世のためになる、そのための資金も仲間も手に入ると教えた」
「それは、暖かい、お言葉をありがとうと言うと、これは、真剣な話よと言った」
「でも死相が、見えなくて本当によかったと、涙を流し、丹下に抱きついた」

「一番最初に、この妙な体験をしたのは、4歳の時、私の曽祖父が、自分を抱っこして、可愛いねと頭をなでた時、何とも言えない、嫌な臭いがして、思わず、臭いと言った」
「すると曽祖父が、体臭がきついのかなと笑いながら、私を下ろしてくれた」
「数日後、曽祖父が、脳卒中で亡くなったと連絡が入った」

「葬式の時に御棺を開けた時、以前、感じた臭いがした」
「それからは、怖くなって、なんでだろうと考えはじめた」
「それを知るためには心理学が良いと言われ心理学を学ぼうと心に誓ったのよ」
「まー、恐ろしい話を終えて、ウイスキーでも飲んで落ちつけよと言った」

「そして、丹下が、彼女のために、水割りを作った」
「彼女が、ゆっくりとウイスキーを飲みながら人間て、不思議ねと言った」
「俺なんか生まれた時から、お膳立てができていて、やる事が決まっていてつまない」
 早く自立したいと言うと、もう少ししたら、きっとそうなる。
「自分に素直に行動して、体を大切にして生きるのよと言い、また、丹下を強く抱きしめた」
「すると、みたび、自分の分身が元気になり、進軍ラッパがなり、彼女を抱きかかえてベッドへもぐりこんだ」

「そして、約1時間、声を抑えながら、ぐったり疲れるまで、たっぷりと汗をかき疲れ果て、泥の様に眠った」
そして、翌朝、丹下は、いつものように朝6時に起きた。彼女に6時だが、帰るな今なら混んでなくて、人目につかないぞと告げた。すると彼女が素早く起きて、着替えフロントへ行き丹下が精算を済ませた。車に乗り込んで7時前に、彼女の家まで送り、丹下は、自宅に朝帰りした、

 両親には、麻雀で負けてあつくなって、徹夜マージャンになったと苦し言い訳をした。その後、朝食を食て、いつもの様に従業員を迎えに行き、彼らを連れてブドウ農園に入り仕事を始めた。仕事を終えて、家に帰ると、絹ちゃんに言われたことを思い出し、親に面倒見てもらうだけでは、だめだと痛感して家を出ようと決心した。

 1人用のアパート探すと近くに山梨大学の学生用の1DKで3万円のアパートを探した。実家から徒歩で15分、駅からも15分の距離で、絹ちゃんの家からも15分の所にあった。1986年12月中旬に、実家を出て、ラジカセ1つを持って、アパートに引っ越した。その後、月に1,2回、絹ちゃんと駅で待ち合わせてデートをして逢瀬を楽しんだ。

 今年は、友部輝一、川松修二、生島次郎が12月に地元に帰ってくると連絡が入り、2年ぶりに忘年会を開いた。すると、仕事には、慣れてきたが、彼女ができたとか、できないとか言う話題になった時、丹下に、お前はどうだと聞かれた。

 それに対し、仕事に追われて、それどころではないと言い絹ちゃんのことは、話さなかった。友部が、株を始めたという話題になり川松修二、生島次郎は、それよりも一人前に仕事をする方が先決だと言った。
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