第27話:不景気とクラウドファンディング

文字数 1,783文字

 2009年は、アメリカのリーマンショックによる金融危機に端を発した世界同時不況が、電機や自動車など輸出企業の業績を直撃した。需要の激減が響き、2009年3月期の連結決算で電機大手8社は合計2兆円超の純損失を計上。トヨタ自動車も純損益が2兆円以上悪化し、約4369億円の赤字に転落した。各社は過剰な在庫の絞り込みに加え、経費の圧縮を迫られた。

ソニーが1万6000人の削減に踏み切るなど、雇用不安は非正規労働者にとどまらず正社員にも波及。春闘では未曽有の危機を乗り切るため、ベースアップを見送るだけでなく、電機大手のように定期昇給を凍結する動きも広がった。急激な業績悪化の責任を取り、大手企業のトップ交代も相次いだ。トヨタでは豊田章男社長が誕生、創業家の求心力に再生を託した。

 2008年秋に起きた世界規模の金融危機の直撃を受け、同年第4四半期と09年第一四半期の実質GDP「国内総生産」は前期に比べ年率換算でそれぞれ10%、12%の大幅減。2けた減は戦後最大の落ち込みを記録した第1次石油危機後の1974年第一四半期以来35年ぶり。2期連続の2けたマイナスは戦後最悪の状況。主な要因は輸出と生産の急減。

 これで企業収益が悪化し雇用不安や賃金の低下で個人消費も冷え込んだ。そのあおりを受けたのか、日本航空は昨秋の金融危機後に業績が一段と悪化し、経営危機に陥った。政権交代後、鳩山内閣は自主再建路線から政府主導による再建に方針転換。前原誠司国土交通相は就任直後の9月、直轄の専門家らを送り込み、抜本的な再建策を検討させた。

 しかし、日航の財務状況は想定以上に悪化しており、再建の主導権はその後、公的組織「企業再生支援機構」に移った。企業再生支援構は年明け支援の可否を決断する見通しだが、収益低迷が続く中、手厚い企業年金などの負の遺産は重く、再建の道筋を確定するまで曲折が続きそうだ。政府は再建を後押しするため、融資保証などの支援方針を表明。

 公的支援に対する国民の理解を得るため企業年金の強制減額も辞さない構え。政府は11月20日に発表した月例経済報告で、日本経済に関し「物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある」と表明。物価が持続的に下落するデフレに入りを宣言。デフレ認定は2006年6月以来。賃金の下落や失業率の上昇につながるデフレからの脱却は、鳩山政権の大きな課題。

 政府が宣言に踏み切ったのは、生鮮食品などを除いた消費者物価が下がり続けるとともに、物価をそのまま反映した名目国内総生産の伸び率が物価変動を除いた実質GDPを下回る傾向が続いているため。政府は景気てこ入れへ7.2兆円の財政出動を伴う経済対策の実施を決めたが、日銀に対しても量的緩和を含めた追加金融政策を求める動きが強まる。

 これによって、また、日本の財政赤字が、増加する、悪循環となるのだ。実際に、巷では、格安ジーンズ・ショップ、大手スーパーや専門店がデフレを実感させる特売セールの価格競争が激化してデフレに拍車がかかった。そんな不景気のせいで、甲府周辺のブドウ農園や桃農園でも採算が合わず、借入金を返せなくなった農家が現状渡しで農園を売り出すケースが増えてきた。

 その状況を見て、丹下聡二は、太陽光発電による積み上がってきた資産を利用して、太陽光発電、風力発電に適した場所を探して、太陽光パネルの後ろに支柱を立てて、支柱の上にプロペラを取り付けて風力発電をする装置を企業と共同で開発し試運転を開始した。2008年12月に、パナソニックが三洋電機を完全子会社化した。

 特に、当時、パナソニックが三洋の事業で最も期待していたのが、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの「2次電池」。そのため2009年から三洋電機の高効率のリチウムイオン電池を友部のパナソニック時代の友人から、訳あり太陽光パネルを再生したものを格安で手に入れることができるようになった。

 地元の人たちを優先的に採用し地元に貢献して自分たちの作った電気を買ってもらえるようにした。この評判で、地元の工場でも電気を買ってくれるようになり、販路が広がっていった。加えて、地元の若手の就職先として重宝がられて、一挙両得であった。また、以前から世話になっているN証券の担当者がクラウドファンディングを募集したらと提案してくれた。
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