第26話:風力発電の工事で古銭が、見つかる

文字数 1,676文字

 もし土地を掘り起こす時は、業者でなくて自分たちでやりなさいと言われた。変な事を言うなと思いつつも気になったが、昔からのメンバー4人で強風を得られる場所10ケ所を決め10月30日掘り始めた。そして11月3日、長芋を掘る道具で掘りするとガチンと、何かに、ぶつかった。そこで、その周りをスコップで掘ると円型をした固いものが見つかった。

 バケツに水を入れて、その固いものを洗ってみると、穴の開いた古銭だと友部が言った。懐中電灯で、よく見ると「永楽通宝」とわかり腰の抜かさんばかりに驚いた。とりあえず、その日は、掘れるだけ掘って袋に入れた100枚程度を4つの袋に入れた。その場所に土をもり帰った。翌日、麻袋を20袋用意し一輪車の深いタイプ「通称、猫」を3台用意。

 4トン・トラックを借りて、朝8時に、その場所について一気に掘って次々に小判麻袋に入れ、深いタイプの一輪車に載せて、次々に運び出した。夜20時まで作業してとんでもない量の小判を手にいれた。それらの麻袋を4人で丹下葡萄農園で、現在、使っていない4ケ所の倉庫に分けて置いた。もちろん、その後も周辺を探してみたが、結局、そこだけしか古銭は出ない。

 図書館で調べると一番多いのが、永楽通宝、洪武通宝、寛永通宝など渡来銭が約千枚見つかった。その後11月10日まで10個の風力発電用のポールを設置終了。11月中に太陽光パネルと整流器、バッテリーへ繋いで送電できることを確認した。それから、丹下聡二は、少しずつ、穴の開いた古銭を手できれいに洗って良いものだけを手提げ金庫に入れて保管した。

12月10日迄に、古銭をきれいに洗った。それ程、きれいでないものは、全て麻袋にいれて保管。その後、図書館で古銭の洗い方を見て、必要以上にこすったり、するのは良くないと書かれており、泥を落とすだけにした。12月20日、東京の上野の古銭商に電話すると、何枚位ありますと聞かれ千枚余り、種類はと聞かれ永楽通宝、洪武通宝、寛永通宝と答えた。

すると都合の良い時に買い取り伺うと言ったので12月19日の15時位と指定した。そして当日13時頃にワゴン車で上野の古銭商の2人がやって来た。そこで、すぐに手提げ金庫と麻袋を持ってきて見せた。手提げ金庫の古銭を見ると、きれいですねと言い高値で売れると言った。売って下さるという事で間違いないですねと聞くので高値なら売りますと丹下が答えた。

 次に、麻袋を持ってくるとすごい量ですねと言った。何か、古銭を広げたいのですが敷布の様な物はありませんかと聞かれ、大きなぼろきれを持ってきた。これで結構です言い、これの上に広げてよいですかと聞かれ了解した。すると勢いよく麻袋を逆さにして古銭の山を作った。それを手早く持参した布袋に次々と入れ枚数を数えだした。1時間足らずで半分位を袋に入れた。

 最後の残った全体の4分の1位の汚れた古銭を指さして、これは、あまり金になりませんが、少額で引き取りますか、それとも記念に残しておきますかと聞かれ全部売りますと言うと了解ですと答えた。その後、古銭商、2人で、小さな声で話し合って、合計1200万円と言った。1200万円で買い取りますがどうしますかと聞かれ、丹下が、領収書を4つに分けてと言った。

わかりました結構ですと告げた。そして領収書を300万円ずつ宛先なして切ってくれた。そしてアタッシュケースから100万円の束を3つずつ4つに分けてテーブルの上に置いた。これで、引き取って帰りますというと丹下がご苦労様でしたと言いお礼を述べた。

 すると、商売ですからと言い、車に古銭の袋を載せて、すぐに帰っていった。この情景の一部始終を眺めていた友部輝一、川松修二、生島次郎は、驚いた様に、ほんとかよと言った。丹下が、3人に領収書を持っておけと言った。

 友部が。会社に入金しなくて良いのかよと聞くと丹下が会社に入金したらめんどくさくなると言った。翌12月25日、近くの料亭の豪華料理で4人だけの忘年会で、今年の仕事と古銭騒動の話をして盛り上がった。そして2009年となった。
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