第5話:仲間たちの就職とチェルノブイリ原発事故

文字数 1,892文字

 そして、1984年、友部輝一、川松修二と生島次郎は、大学を卒業、友部輝一は、松下電器、川松修二は、シャープ、生島次郎は、京セラに入社。そして、友部は、大阪の門真市の松下本社、川松は、大阪の堺市のシャープ本社へ入った。生島次郎は、京セラの滋賀工場へ入った。その後、年に1,2回、勝沼に帰ってきた。

 この当時、実家の離れに住んでいて、丹下聡一も聡二も買い物は一緒に出かけ両親が支払うため300万円も貯金した。丹下聡二は、しっかり貯金していたが、丹下聡一は車に凝りスカイライン2000GTを買いステレオも外国製のもので組み合わせ、いわゆる、オタクだった。 そのため金使いが荒く預金はできないようだ。

 しかし、ブドウ農園の職員の指導は、しっかりやりブドウ農園の仕事は手を抜かず頑張っていた。一方、聡二は、農園の仕事と言うよりも壊れたトラクターやブドウ園のフェンスの修理など裏方の仕事が多く、機械修理の仕事を任された。何しろ、広い農園が3つあり収穫が、順調な年は、収入も多い。

 その後、農園の仕事が一段落する11月頃、近所の石和温泉に温泉に入って、ゆっくり、日ごろの疲れをとった。やがて寒くなり、1985年12月25日、石和温泉に泊まり込みで、友部輝一と川松修二、生島次郎と丹下聡二の4人で忘年会を開いた。その席で友部が株を始めたいと言い良い情報あったら知らせてくれと丹下聡二に言うので了解と答えた。

 その後、1986年となった。冬は寒くて、家に閉じこもる日々が続き、たまに、暇なときは、甲府に農園の仲間と数人で連れ立って、おでん屋に入って、酒を飲んだりした。また、1人で新作の洋画、邦画を見て楽しんでいた。3月になり、少しずつ暖かくなると、東京秋葉原に出かけて、音楽を聞きに行った。

 その後、うまい、肉屋で昼食を食べて新型パソコンを触ってきたが40万円では、高すぎて買えなかった。そして、4月を迎え、春の息吹を感じられるようになった。そんな、4月の下旬、4月26日、とんでもないニュースが入った。その事件は、チェルノブイリ原子力発電所事故。しかし西側諸国が、異常に気付いたのは、事故発生から2日後だった。

 4月28日の朝、スウェーデンのフォルスマルク原子力発電所で、職員の靴から高線量の放射性物質が検出されたことが発覚のきっかけとなった。28日中にはスウェーデン政府の外交官がソ連政府と接触し、ソ連内で原子力事故が発生した事実がないか問い合わせた。当初、ソ連政府はその可能性を否定する回答を行った。

 しかし、スウェーデン側から国際原子力機関「IAEA」に事態を報告する意向を伝えられると、一転してチェルノブイリ原発で事故が発生した事実を認めた。その放射性物質は風に乗って北半球の全域に拡散。日本では、5月3日に雨水中から放射性物質が確認された。発電所に近いプリピャチから住民の避難開始は、36時間後、27日の昼。

 それまで住民には事故の情報が与えられず、5万人の人々が、放射能汚染の事実を知らされず生活を送った。1週間後の5月2日には、原発から30キロ圏内にあるプリピャチ以外でも避難開始。破壊された4号炉は、構造物で囲って封じ込めた。この構造物は「石棺」と呼ばれ、工事は6月に始まり11月に完了。

 石棺の建設や周辺の除染とともに、事故後止まっていた3つの原子炉も復旧に向けて作業を進めた。1号炉は9月、2号炉は11月、3号炉は87年12月に運転を再開。建設中だった2つの原子炉は放棄。高濃度の放射性物質で汚染されたチェルノブイリ周辺は居住が不可能になり、16万人が移住させられた。避難は4月27日から5月6日にかけて行われた。

 事故発生から1か月後までに原発から39キロ以内に居住する約12万人が移住したとソ連によって発表。しかし生まれた地を離れるのを望まなかった老人などの一部の住民は移住せずに生活を続けた。放射性物質による汚染は、現場付近のウクライナだけでなく、隣のベラルーシ、ロシアにも拡大。

 1991年のソ連崩壊以後は、原子力発電所が領土内に立地しているウクライナに処理義務がある。2018年現在もなお、原発から半径30キロ以内の地域での居住が禁止で、原発から北東へ向かって350キロの範囲内にはホットスポットと呼ばれる局地的な高濃度汚染地域が約100か所が点在。

 ホットスポット内においては農業や畜産業などが全面的に禁止。ソ連政府の発表による死者数は、運転員や消防士などを合わせた33名だが、事故の処理にあたった軍人、トンネルの掘削を行った炭鉱労働者に多数の死者が確認されてる。
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