第7話:絹ちゃんとのデート

文字数 1,700文字

「食事を終え、常盤ホテルのロビーを見た絹ちゃんが、素晴らしい温泉ホテルねと言った」
「ここが甲府湯村温泉で一番の由緒あるホテルだと伝え、東館の特別室が入った」
「すると南アルプスが一望でき椅子に座り、じっくりと眺めると、なんて素晴らしい景色なんでしょと絹ちゃんが喜んだ」
 喜んでくれてよかったと丹下が胸をなでおろした。

温泉に、入ろうかと言うと、そうねと彼女が言い、館内のパンフレットを見て30分後、帰ってきましょうかと打ち合わせ、丹下は露天風呂へ向かった。彼女も浴衣に着替えて、風呂へ向かった。その後、風呂から出てきて、丹下が、ベッドに寝そべっていた。
「すると、絹ちゃんが、帰って来て、障子が締まっているのを確認し、するすると浴衣の帯をほどいた」

「丹下が、障子の隙間から彼女のミロのビーナスの様な放漫な肉体を盗み見した」
「その後は、丹下は、まるで、赤い切れを見た猛牛の様にいきりたった」
「その晩は、あやすように、絹ちゃんがリードして、ゆっくりと逢瀬を楽しんだ」
「丹下は、25歳で、元気いっぱいの若者なので汗びっしょりになった」

「1時間以上も、求め合って、その後、心地よい疲れを感じで眠りに落ちた」
目が覚めると、15時半になっていた。
 先に目覚めた絹ちゃんが、お茶を入れて、丹下を起こした。
「すると、丹下は、起きて、お茶を飲みながら、想像以上に良い体しているねと言うと、絹ちゃんが、赤くなった」

「そして、丹下に、あんた若くてほんとに元気ねと言った」
「でもね、先に言っとくけど、私は、訳あって、結婚はできないのよ」
「それだけは、先に、理解しておいてねと話した」
「理由は、聞かないでねと言い、目には、うっすら涙を浮かべた」

「わかったよ、俺も、あまり目立つ事は、好きではないし無理を言う男でもない」
「君の言う通りにするよと言うと、良かったと抱きついた」
 そして結婚できない訳を話し始めた。
「まず、名古屋で、若くして亡くなった彼氏が、可愛そうで結婚する気になれない」

「もしかしたら愛する男を駄目にするん女じゃないかという恐怖感があるのと話した」
「それに、同じ所に縛られるのが、好きじゃないのと告げた」
「要するに、わがままなのねと、自分で笑いながら話し続けた」
「大阪で生まれて、大阪弁が嫌いで、大阪を出て、東京、名古屋と流れてきた」

「今まで、何人かの男に言い寄られたけれど、自分の手に入ると飽きちゃうのよね」
「悪い性分ねと、自嘲的気味に語った」。
「丹下には、その意味の示すことが、何なのか、理解できなかったが、今が良ければ、それで良いと絹ちゃんに言った」。

「そう言ってくれると嬉しいわと、色っぽく耳元でそっと言った」
「すると、再び、丹下が元気になり、仲良くなった」
「絹ちゃんが、あんた、ほんとに好き者で、元気ねと笑顔で言った」
「絹ちゃんが、その方が。私はうれしいけどねと言い、舌をだした」

「丹下が中学時代から長距離が得意でスタミナには自信あるんだと笑った」
「確かに、すごいスタミナだわと言い、2人で大笑いした」
 その後、もう一度、温泉に入ってから、夕食を食べることにした。その後、夕食を終えて、丹下が、外を散歩しないというと、えー、良いわよと言い、暮れなずむ、温泉町をそぞろ歩いた。

「帰って来て部屋に帰りテレビを見てながら、絹ちゃんが、あんたの将来の夢は何と突然聞くので、逆に、絹ちゃんはと聞き返した」。
「私はね、日本中を回りたいわと言い、北海道、新潟、金沢、仙台、秋田、長野、松本、東日本を中心に、単なる旅ではなく、できたり、そこに数年住んで、そこの良さ、人の営みを知りたいわと言った」。

「そーね、それって良いね、俺なんか、丹下農園の次男坊と言う目でしか見られない」
「俺は、ここでは、個人の個性や性格などは、全く重要視されない」
「それで助かっている所も半分あるんだけれども嫌だ」
「やっぱり丹下聡二として見てもらいたいなと思いたい」

「ところで、絹ちゃんの本名、聞いてないよねと言った」
「彼女は、いたずらっぽい目で、どうしても知りたいと聞いた」
「もちろん、知りたいよと答えると、本間絹江が本名ですと素直に教えてくれた」
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