第16話:金融機関の倒産とヤフー株購入

文字数 2,093文字

 1月、暇なので絹ちゃんと湯村温泉の常盤ホテルで風呂に入って多くの話をして酒を飲み、情熱的な夜を月に2回も楽しんで、毎日、楽しく生活をしていた。その時、絹ちゃんが、もし、働かなくてもよいくらいのお金ができたら、結婚式を挙げなくてもよいから、一緒に生活してくれると、謎めいたことを言った。

 そこで、不思議に思ったが、もちろん、そうするよと明るく答えた。その答えを聞いて、本当ね、約束よと言って指切りげんまんした。それを終えると、その証にと言って、再び、長い逢瀬に身を任せた。しかし、3月、4月になるとブドウ、桃農園では、忙しくなり、せっせと与えられた仕事をこなさねばならなくなる。

 そして、1997年7月、生島次郎は、ヤフー株が上場されると証券会社の担当者から情報が入り、これは買いだと言われと思い、できるだけ買いたいと連絡した。
「その週の土曜の午後、絹ちゃんの言った、お金ができたら結婚式を挙げなくても良いから、一緒に生活してくれるとと言った言葉が気になった」

「そこで、湯村温泉の常盤ホテルで会い、何か未来の事が、頭に浮かんだのと聞いた」
「それに対し、昔、買った株と、今度、買う株で多額の収入が入り、広い所で、多くの黒くて光る鏡の様な物を大勢で額縁の様な物に入れている姿が見えると言った」
「丹下は、彼女の話が、気になったので、家に帰って、手帳に書き込んだ」

 一方、日本経済は、バブル崩壊後、損失補填、利益供与、巨額損失の隠蔽など金融機関の不祥事が相次いで発覚。政府は当初、大手金融機関は破綻させない方針を取っていたが、1995年頃より「市場から退場すべき企業は退場させる」という方針に転じ、不良債権の査定を厳しくして経営状態の悪い金融機関も破綻・再生する処理にかかった。
 
 この流れで1995年8月に兵庫銀行が銀行としては戦後初の経営破綻となった。以降、金融機関の破綻が相次いだ。とりわけ、アジア通貨危機とも重なった1997年から1998年にかけ、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、山一證券、三洋証券など大手金融機関が、不良債権の増加や株価低迷のあおりを受けて倒産し、事態は金融危機の様相を呈した。

 北海道拓殖銀行は地価上昇を見越して土地評価額に対して過大な融資を行った。また、バブル期の融資に出遅れ、劣後順位での担保設定を行わざるをえなかった事から回収が思うに任せず、不良債権が膨らみ、1997年11月、営業継続を断念した。日本長期信用銀行はバブル期に不動産・リース等、新興企業に積極的な融資を行った。

 しかし、バブル崩壊後はイ・アイ・イ・インターナショナルへの多額の融資の焦げ付きを中心とする不良債権を抱え経営不振に陥った。そこで1998年10月に制定された金融再生法の下で破綻認定され、国有化された。日本債券信用銀行はバブル崩壊で膨らんだ不良債権を飛ばしで処理していたが、1998年12月の金融調査で債務超過と認定され、国有化された。

 山一證券は1989年末をピークに株価が下落するのに伴い一任勘定で発生した損失を顧客に引き取らせずに、簿外損失として引き受けた。そして、いずれ株価の上昇で損失が解消するのを待ったが、銀行からの支援を失って1997年11月に自主廃業を選択した。
「実際には破産宣告を受けて解散」

 証券会社にバブル採用された社員たちは、入社数年で会社が倒産し再就職もままならない状態に陥ったものが多かった。その後、丹下は、頑張って、ヤフーの新規公開株を2株ずつ父の丹下哲彦と丹下聡二の2人で合計4株を担当者が手に入れた。ヤフーの新規公開株を4株を320万円で購入。

 この情報を友部に連絡すると新規公開株は、普通じゃ手に入らないと言うので、父がもう20年以上、N証券で株取引していると話すと、それだけ懇意になってないと、買えないものなーと感心した。そして1997年11月4日ヤフー株が上場され200万円で初値がついた。その後、11月13日の夕方。

 友部から電話で、今朝、成り行きで164万円で2株328万円でヤフー株を購入したと連絡してきた。その後、友部輝一、川松修二、生島次郎が、今年は、年末に帰ってくると連絡が入った。この時、ヤフー株について、川松修二、生島次郎も買ったよと連絡が入った。昨年、ヤフー株の事を聞いたと11月13日早朝、友部から電話が入った。

 その時、私は、ヤフー株、買うが、君たちも買わないかと言われ、川松修二と生島次郎が、成り行きで、それぞれ164万円で1株、購入した。これを聞いて丹下が、なんだか、責任感じるなーと笑いながら言った。その後、ビールで乾杯して、今年の出来事に、ついて、それぞれ語った。面白かったのは、川松の話であった。

 シャープの工場見学に自分の好きなグラマーな女性達が来た時、あまりにも見事な体の線を見ながら工場内でフォークリフトに乗った。その後、わき見運転して工場の壁にぶつかりそうになり、急ブレーキをかけ、フォークリフトの前に乗せてあるドラム缶の重さで。後輪が持ち上がってしまい、彼女たちに、大笑いされた。 
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