碧泉と一緒にでかけるのが日常になってきた瑞生

文字数 1,602文字

瑞生は目を覚ます。
2017/10/09 10:01
変わらず推古グループが経営する宿屋だ。
2017/10/09 10:01
その部屋の中央で眠っているわけだが、今日も今日とて碧泉が部屋の隅に座っていた。
2017/10/09 10:01
おはよう瑞生。よく眠れたか?
2017/10/09 10:01
意識がまだはっきりしていないのは言うまでもなく、瑞生は少しの間しゃべることができなかった。
2017/10/09 10:02
低血圧なのだろうか?
2017/10/09 10:02
ああ、えっと……どうかな。眠れたけど、頭がまだぼんやりするよ。
2017/10/09 10:02
ふむ、寝起きはあまりよくないのか。まあ、生き物だからな。仕方ないな。
2017/10/09 10:03
(碧泉の優しさが心にしみわたるなあ。なんというか、愛されてる感じだ)
2017/10/10 11:04
今日はどうするんだ?
2017/10/10 11:05
今日は、そうだな。お前が行きたいところに行こうか。
2017/10/10 11:06
俺、今日も伏美に現代の様子を教えるためにいろいろ見てくるよ。
2017/10/10 11:28
伏美は現代になじみたいって思っていて、だから今日は現代的なところに行ってみようと思う。
2017/10/10 11:29
ふむ、昔の人なら古い建物が安心すると思うがな?
2017/10/10 11:07
そうか。でも、そうかもしれないけど、課題は現代に慣れることだよ。
2017/10/10 11:07
伏美も現代に慣れないといけないんだから、現代的なものを見るのもいいかもしれない。
2017/10/10 11:08
伏美への教育のつもりか。それもいいだろうな。
2017/10/10 11:08
だが、現代のものは私も理解できないものが多い。
2017/10/10 11:21
そうか、じゃあ、どうすればいいかな?
2017/10/10 11:22
そういう現代に対応したのはオールドの屋敷のカップチーノが詳しいはずだぞ。彼女を頼ってみたらどうだろうか?
2017/10/10 11:22
まあ、適材適所か。碧泉は現代とか苦手なのか?
2017/10/10 11:22
苦手というほどではないが、ついていくのは大変だ。流行が次から次へとやってくるからな。もう疲れてしまった。
2017/10/10 11:23
そうか。すまんね、記憶がないから共感できない。
2017/10/10 11:23
別に構わないさ。
2017/10/10 11:23
瑞生はカップチーノに会う方法を考えた。
2017/10/10 11:24
今日は、オールドの屋敷まで送ってくれよ。
2017/10/10 11:24
分かった。それじゃあ宿の前にタクシーを待たせてあるから、それに乗ろうか。
2017/10/10 11:25
瑞生は部屋を出て宿の廊下を歩く。
2017/10/10 11:25
宿の廊下は極めて和の作りだったが、それがどうにも時代錯誤というか、伝統を大切にしすぎた代物に見えてきてしまう。
2017/10/10 11:26
自分たちの文化を大切にするのは、果たして時間の流れに対して対応できているのか、そういう疑問が瑞生の中をよぎった。
2017/10/10 11:27
なあ碧泉、俺は今、時代の流れに対応する術を伏美に見つけてやろうと思ってるんだ。それだけど、お前は時代に対応してない。果たして、時代に対応するのはどれくらい大切なんだ?
2017/10/10 11:27
そうだなあ、瑞生は時代に対応するのがどれほど難しいか知っているか?
2017/10/10 11:30
知らないなあ。俺は対応してるつもりだからな。実際どうなんだ?
2017/10/10 11:33
ふふうん、お前は対応しているのか。記憶もないのに大変よろしいことだな。
2017/10/10 11:34
だが、時の流れに対応し続けるのはな、悟りの領域なんだ。心を持っているなら、誰もが何かに縛られてしまう。こだわりを持ってしまう。そういうものだろう?
2017/10/10 11:34
そうか? 俺、こだわりないけどなあ。
2017/10/10 11:35
お前はなかなか目覚めているな。こんな言葉を知っているか?
2017/10/10 11:35
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
2017/10/10 11:35
中学校で習うあれ。

先生が意味を理解しているわけがないから、あんまりしつこく聞いちゃだめだぞ。

2017/11/09 20:50
記憶がないからわからないけど、何となく聞き覚えのある言葉だなぁ。
2017/10/10 11:36
全てのものは変化にさらされる、という意味だ。そんな中で心は何か特定のものにこだわってしまう。そんな中、お前は伏美を変化に対応させようとしている。これは並みの精神力ではできないことだよ。
2017/10/10 11:36
精神力高いって、魔法使いにでも向いてるのかな?
2017/10/10 21:35
法力なんて嘘だぞ。あんなもの信じているのか?
2017/10/10 21:36
魔法なんてないよ。唯一魔法のようにあらゆる問題を解決できるお金も言うほど万能じゃないよ。
2017/10/10 21:37
精神力高いって、それは褒め言葉なのか?
2017/10/10 21:39
想像に任せておこう。
2017/10/10 21:39
想像に任せておこうは万能回答だったりする世界だけどね、本人にそれなりの余裕がないと使えない高等テクニック。
2017/10/10 21:40
宿の玄関にたどり着く頃には、瑞生も魔法なんていうほど便利じゃないと納得しているためか、あまり突っ込まないでタクシーに乗り込む。
2017/10/10 21:40
今回は以上です。

次回更新をお楽しみに。

2017/10/12 09:45
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登場人物紹介

小峠瑞生(ことうげ ずいしょう)

自分が何の妖怪なのか思い出せないかばんちゃんポジション。

人間の特性を使って、謎を解決していく。

碧泉(あいぜん)

謎の女。

瑞生が誰なのか知らないけど、その素質を見抜いて利用している。

浮世離れが非常に深刻で、秋元康はAKBのメンバーだといまだに勘違いしている。

ナレーション。

突っ込み不在の世界に救いを。

地の文に革命を巻き起こすべく生み出された新兵器。

基本的に神視点だが、感情が高ぶると特定のキャラに肩入れする。

オールド

謎の女2

かつて日本の首領(ドン)だったが、部下が有能すぎて出番がなかった。

その部下を愛しさゆえに食べたところ、不死身になったと本人は言うが、大抵の人は信じない。

また、本人にグロ耐性がないので、この話題は避けたがる。

厩戸皇子(うまやどのおうじ)

時代と場所、年代によって呼び方が変わるややこしいひと。

オールドの部下、しかもいつも冷静で取り乱さない。できる人に見えるがただのサイコパスかもしれない。

オールドと1500年くらい前に謎の約束を交わしている。

実は1万円札にその顔が採用されたことがあり、俗世の人間は彼の顔を見ただけで興奮してしまう。年もばれる。

寂推カップチーノ(じゃくすいかっぷちーの)

オールドのメイド。手下。

多分1000年くらい存在しているが、明治維新文明開化後、頭の中お花畑な毎日を過ごしている。名前も常に前時代性を排除して新しいものに改名している。

種族は幽霊。

寂織伏美(じゃくおりふしみ)

種族、幽霊寄りだが例にもれずその他。

出身は尾張の国で相手を馬鹿にするとき『たわけ』という。

何百年も前に封印されて以来、目覚めの時を待っているが、現代の進みすぎた文明を前に、目覚めるに目覚められない。

久遠寺ルナ

種族 ある人は人間だと言い、ある人は死者という。ある人はゾンビだというし、ある人は解脱者だという。答えは藪の中。安定のその他。

作者がさぼっているのではなく、そこが話の主題なので安心してほしい。

天寺結姫(あまでら ゆいき)

種族 ネクロマンサー

ルナちゃんをゾンビに変えた張本人。

しかし、悪意があるわけではないようだ。

また、頭が悪く自然に会話していてもボケに回ってしまう。

伊早坂酒々井(いそざか しすい)

瑞生の過去を知る人物。

瑞生の姉を名乗っているし、瑞生の過去の日記をねつ造して瑞生を都合のいい方向にもっていこうとするが、瑞生の理解が早すぎるため、続きの執筆に追い立てられる。

名前はただのペンネームにすぎず、しかも登録されていないため本名はわからない。

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