キャッシュレス世界について 人の賢さアホさ

文字数 1,221文字

前回に引き続きニトリにて。
2018/01/15 17:09
瑞生は家具一式(机、布団、その他もろもろ)をかごに入れて、レジに向かっているところだった。
2018/01/15 17:10
曜日が平日で客はあまり多くないが、レジの店員の能力が低いせいか、瑞生の支払いの順番はなかなか回ってこなかった。
2018/01/15 17:11
おそっ。俺、せっかちじゃないけど、支払いって時間かかるよね。
2018/01/15 17:12
それはそうだ。お金のやり取りだからな。一昔前の借金CMは、お金はよく考えて使え、と人々に広めていた。それだけ大切な取引なのだよ。
2018/01/15 17:12
なんか、クレジットカードを使ってやり取りを短縮すれば、経済効果がある、みたいな話があるけど……。
2018/01/15 17:13
あるから何なんだ?
2018/01/15 17:14
あれじゃないか、現金を持ち歩く意味がなくなって、そのうちカードだけで決済できるようになる世界が来るんじゃないかと……思っているんだよね。
2018/01/15 17:15
電車の改札とかさ、すでにお金を入れなくても自動で振り込まれるし、決済を自動化すれば時間が節約できるだろう? その分社会にメリットがあるんじゃないかな、と思って。
2018/01/15 17:15
ふぅん、確かに時間が節約できる、というメリットはあるな。
2018/01/15 17:17
とはいえ、クレジットカードは恐ろしい。
2018/01/15 17:17
どうして? 預金残高も表示されるようになってるし、大丈夫じゃね?
2018/01/15 17:18
それがねえ、残高がわかっていると、思いのほか浪費してしまうんだよ、人間は。
2018/01/15 17:18
支払いをするときに、残高が大きいと自分の持っているお金がたくさんある、とそう認識してしまう。今期使える額が限られていても、だ。
2018/01/15 17:19
そんな数字を間違えるようなあほな奴がいるのか? 初歩的な問題だぞ。
2018/01/15 17:20
そうはいかないのだよ。人間は基本的にあほだからな。その手の数字の間違いは当たり前のようにやってのける。
2018/01/15 17:20
世界中どこを見渡してもあほが9割だ。
2018/01/15 17:21
凄いこと言うな。
2018/01/15 17:23
ヤゴコロジック読者の10割が人間だと思うが、別に煽っているわけではないから鎮まりたまえ。
2018/01/16 21:00
そういう現金が必要ない世界というのは一つ理想として正しいだろうが、人が思ったより賢くない、という前提に立たないと、うまくいかないのは火を見るより明らかだ。
2018/01/15 17:23
思ったほど賢くないか。ソクラテスみたいなこと言うな。
2018/01/15 17:25
賢くないとも。ちなみに私だってあまり賢いわけじゃない。慎重なだけだ。
2018/01/15 17:32
さすが1000年以上生きているだけのことはあり、慎重さを重視する碧泉は知的だった。
2018/01/15 17:33
とはいえ、お前は知的だな、と褒めても、心に届きそうになかったので、瑞生はこれ以上何も言わなかった。
2018/01/15 17:34
逆に、頭がいいというのは一つ悲しいことだな、と思った。
2018/01/16 21:01
妖怪とはいえ、碧泉のように浮世から離れて生きる、そういうのは自由ではあるが、幸福とは少し離れた生き方だったからだ。自由と孤独は同じことだが、俗世から完全に離れた生き方が幸せだと、太鼓判を押せない。
2018/01/16 21:02
(俺も、いずれは人間はバカだって、切って捨てるようになるのかな?)
2018/01/16 21:05
瑞生の真っ白な精神世界に、一滴の墨が滴り落ちた瞬間だった。
2018/01/16 21:07
今の問いは、人を人ならざる者へと追いやる疑問。それは何となくわかるだろう。
2018/01/16 21:11
瑞生はこの黒を抱えて、どこへたどり着くのだろうか?
2018/01/16 21:11
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登場人物紹介

小峠瑞生(ことうげ ずいしょう)

自分が何の妖怪なのか思い出せないかばんちゃんポジション。

人間の特性を使って、謎を解決していく。

碧泉(あいぜん)

謎の女。

瑞生が誰なのか知らないけど、その素質を見抜いて利用している。

浮世離れが非常に深刻で、秋元康はAKBのメンバーだといまだに勘違いしている。

ナレーション。

突っ込み不在の世界に救いを。

地の文に革命を巻き起こすべく生み出された新兵器。

基本的に神視点だが、感情が高ぶると特定のキャラに肩入れする。

オールド

謎の女2

かつて日本の首領(ドン)だったが、部下が有能すぎて出番がなかった。

その部下を愛しさゆえに食べたところ、不死身になったと本人は言うが、大抵の人は信じない。

また、本人にグロ耐性がないので、この話題は避けたがる。

厩戸皇子(うまやどのおうじ)

時代と場所、年代によって呼び方が変わるややこしいひと。

オールドの部下、しかもいつも冷静で取り乱さない。できる人に見えるがただのサイコパスかもしれない。

オールドと1500年くらい前に謎の約束を交わしている。

実は1万円札にその顔が採用されたことがあり、俗世の人間は彼の顔を見ただけで興奮してしまう。年もばれる。

寂推カップチーノ(じゃくすいかっぷちーの)

オールドのメイド。手下。

多分1000年くらい存在しているが、明治維新文明開化後、頭の中お花畑な毎日を過ごしている。名前も常に前時代性を排除して新しいものに改名している。

種族は幽霊。

寂織伏美(じゃくおりふしみ)

種族、幽霊寄りだが例にもれずその他。

出身は尾張の国で相手を馬鹿にするとき『たわけ』という。

何百年も前に封印されて以来、目覚めの時を待っているが、現代の進みすぎた文明を前に、目覚めるに目覚められない。

久遠寺ルナ

種族 ある人は人間だと言い、ある人は死者という。ある人はゾンビだというし、ある人は解脱者だという。答えは藪の中。安定のその他。

作者がさぼっているのではなく、そこが話の主題なので安心してほしい。

天寺結姫(あまでら ゆいき)

種族 ネクロマンサー

ルナちゃんをゾンビに変えた張本人。

しかし、悪意があるわけではないようだ。

また、頭が悪く自然に会話していてもボケに回ってしまう。

伊早坂酒々井(いそざか しすい)

瑞生の過去を知る人物。

瑞生の姉を名乗っているし、瑞生の過去の日記をねつ造して瑞生を都合のいい方向にもっていこうとするが、瑞生の理解が早すぎるため、続きの執筆に追い立てられる。

名前はただのペンネームにすぎず、しかも登録されていないため本名はわからない。

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