その16 オフィーリア狂乱
文字数 1,095文字
原作でもポローニアス殺しが分岐点というかポイント・オブ・ノーリターンだよね。それに続く《クローゼット・シーン》が劇的すぎて、見えづらくなりがちだけど。
※クローゼット・シーン=「(王妃の)寝室の場」。ハムレットとガートルードが、ガートルードの再婚に関して激しく言い争う有名な場面。
『ハムレット』第三幕第四場~第四幕第一場←click here!
原作は戯曲だから、オフィーリアが狂っていく瞬間は描かれてなくて、舞台裏で処理されていて、四幕五場でぱっと出てきたらもう狂ってるでしょ。
『ハムレット』第四幕第五場←click here!
これね、やっぱり舞台だから成立するんだと思った、自分でやってみて。とにかく歌に集中して、あとは台詞どおりしゃべれば、話バラバラだからちゃんとへんな人に見える、よけいなことしなければ。前回言ったように、大根でもなんとかなるw
だけど小説では、オフィーリアの心理から埋めていってそこに持っていくのは無理があった。大好きな人にお父さんを殺されて、そのショックでそのまま発狂しちゃうというキャラクターでは、もうなくなっていた、オフィーリアが。
私のオフィーリアね、自分のことバカだと思ってて、くりかえしそう言うんだけど、ちっともバカじゃないのよ。オフィーリア自身がわかっていなくても、読む人にはわかってもらえてたらいいけど。
私のオフィーリアね、自分のことバカだと思ってて、くりかえしそう言うんだけど、ちっともバカじゃないのよ。オフィーリア自身がわかっていなくても、読む人にはわかってもらえてたらいいけど。