その19 花と苺

文字数 690文字

◆◆◆オフィーリア・ノート (13)◆◆◆

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オフィーリア狂乱を「うわごと」にしたんだね。
うん。初めは、熱を出しながら王妃の前に姿を現すという、原作に近い場面を考えてたの。でもそれだと、物語のテンポが落ちることに気づいて。「ものがゆがんで見えます、、、」みたいなこと書いてる場合じゃないなと。で、いまの形に。
草花の名前言うのを、幸せな記憶にした?
そう、お母さんとの思い出に逃げこんでいることにした。それはサラの舞台を作っているときも考えてた。

「おやすみなさい皆さま」(四幕五場)っていうくりかえしが私は好きで、シンプルだけど、笑いながら言っても泣きながら言っても破壊力ある。やっぱりシェイクスピア先生凄すぎる。

苺は?

苺はね、原作にはないけど、出したかったんだな。書いたとおり、北欧ではひと夏に1回しか収穫できないけれど、そのかわり日照時間がとても長いから味が濃くなる、という話を以前読んで、なんだかすごく感動したのね。もちろん現代の苺と、16世紀の苺とは違うけど。。。

私たちはオフィーリアたちの住んでいる世界を知ることができるけれど、オフィーリアたちは私たちの世界を知らないし、想像もつかないだろうなという。彼らから見たら、日本みたいな、暖かくて便利な国なんておとぎ話かも。ファンタジーの中にそういう動線を仕込むのがね、好きなの。
シェイクスピア自身も、イギリスからデンマークを想像しているんだよね。
あ、そうね。オフィーリアたちが、デンマーク語をしゃべっているのか英語をしゃべっているのか、ときどきわからなくなるw
大丈夫。日本語しゃべってるw
そうかw
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登場人物紹介

宮﨑稲穂(みやざきいなほ/イナホー)

俳優。シアターユニット・サラ専属。旗揚げから全作品に出演し、現在に至る。名前だけ見て女子と間違われることがあるが、男性。居合道六段、剣号「宮﨑哲舟」(てっしゅう)。


実村文(みむらあや/ザチョー)

劇作家・演出家。ときどき女優。シアターユニット・サラ主宰。NOVEL DAYSでは未村明(ミムラアキラ)名義で執筆。

イナホー

ザチョー

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