その19 花と苺
文字数 690文字
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うん。初めは、熱を出しながら王妃の前に姿を現すという、原作に近い場面を考えてたの。でもそれだと、物語のテンポが落ちることに気づいて。「ものがゆがんで見えます、、、」みたいなこと書いてる場合じゃないなと。で、いまの形に。
そう、お母さんとの思い出に逃げこんでいることにした。それはサラの舞台を作っているときも考えてた。
「おやすみなさい皆さま」(四幕五場)っていうくりかえしが私は好きで、シンプルだけど、笑いながら言っても泣きながら言っても破壊力ある。やっぱりシェイクスピア先生凄すぎる。
苺はね、原作にはないけど、出したかったんだな。書いたとおり、北欧ではひと夏に1回しか収穫できないけれど、そのかわり日照時間がとても長いから味が濃くなる、という話を以前読んで、なんだかすごく感動したのね。もちろん現代の苺と、16世紀の苺とは違うけど。。。
私たちはオフィーリアたちの住んでいる世界を知ることができるけれど、オフィーリアたちは私たちの世界を知らないし、想像もつかないだろうなという。彼らから見たら、日本みたいな、暖かくて便利な国なんておとぎ話かも。ファンタジーの中にそういう動線を仕込むのがね、好きなの。