その5 ハムレットがピュアすぎる件

文字数 1,004文字

ハムレットとレアティーズが幼なじみだという設定は、原作にあった?
正確には、ないんだけど、第五幕第一場でレアティーズと仲たがいしたハムレットが悲しんで「おれはずっときみが好きだったのに(友だちだったのに)」って言うんだよね。レアティーズのお父さんのポローニアスの感じを見ても、たぶん王家に代々お仕えしてきた一族なんだよ。だから二人が子どもの頃から仲良しでもいいかなと。
親友の妹好きになるって恋愛あるあるじゃない。

うわハムレット純情w
そうそうw
なんでまた?
ハムレットが人をかんたんに殺せるような性格だと、このお話なりたたないと思うのよ。人を殺せそうにない主人公が、必死で自分を追い込んでいって復讐するという、原作もそういう流れだし、私もそう作りたかったので、はじめのほうのハムレットをすごくピュアな人にしてみようと思って。ちょっと可愛くなりすぎちゃったかなw
いいんじゃない? ザチョーの妄想全開でw
すみませんw
あ、服飾の資料とか、あと武器の資料とか、「なんかいいのない?」って訊いたらすぐ持ってきてくれてありがとう。いつも台本書くときもほんとありがとう。ひどいよね私、人使い荒すぎだよね。看板俳優にこんなことさせて。。。
いいの。看板だけど番頭だからおれw
ほんとごめんw
レースと真珠とサファイアってほんと王子さまっぽいね。
でしょ。こんな感じ(服飾事典のイラストを指す)。これぜったい自分で脱ぎ着できないよね?
本人は立ってるだけで、お付きの人たちが寄ってたかって着せたり脱がせたりしてるよ。
あーなんか、自分の成人式思い出す。。。
振袖着たの?
そう。まあそれはどうでもよくて、
なんかね、オフィーリアの視点から書いてるんだけど、ハムレットの気持ちになったら、せっかく大学でのびのびしていたのに、帰省したらごてごて着飾らせられてパーティに出させられて、自分の歓迎会だからがまんして出たら、えっオフィーリアちゃん来てないの?って。もうそこから上の空なわけ。で会いに来ちゃうの。「何やってんだ自分」とか思いながら、裏庭から侵入して、もうロミオ並みにきょろきょろしてキョドってるわけw
ザチョー楽しそうだねw
私、なかみ男だからw
でもハムレットの入ったお風呂のお湯をw 女の人たちがw あれリストだっけ?
そう!(フランツ・)リストの実話借りた。よく覚えてるね!

(得意げ)フブキくん(ピアニスト)に教えてもらった気がする。

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登場人物紹介

宮﨑稲穂(みやざきいなほ/イナホー)

俳優。シアターユニット・サラ専属。旗揚げから全作品に出演し、現在に至る。名前だけ見て女子と間違われることがあるが、男性。居合道六段、剣号「宮﨑哲舟」(てっしゅう)。


実村文(みむらあや/ザチョー)

劇作家・演出家。ときどき女優。シアターユニット・サラ主宰。NOVEL DAYSでは未村明(ミムラアキラ)名義で執筆。

イナホー

ザチョー

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