その11 仮説:オフィーリア役者が大根だったかもしれない件

文字数 771文字

それがね、オフィーリアの気持ち、台詞からだけだとよくわからないのよ。
お兄ちゃんにはいちおうちょっと口ごたえするの、「お兄さまこそパリで遊びすぎちゃだめよ」って。
やっぱりw
そうw だけどお父さんには「別れなさい」「はい、お父さま」って、えーそんな簡単でいいの?と思うくらい。
へえー。。。
シェイクスピア先生は、元気いっぱいで可愛くて、男がかなわないくらい頭も良くて口も達者で行動力もあって、っていう女の子を書くの、ものすごく得意なの。ジュリエットとか、『ヴェニスの商人』のポーシャとか、『お気に召すまま』のロザリンドとか、『からさわぎ』のビアトリスとか。おとなしめの妹キャラがたいていそばにいるんだけど、その子たちの台詞もじゅうぶんはつらつと書かれていて。だけどオフィーリアって本当とらえどころがない。
どうしてだろう、ってずっと考えてきて、私、ひとつ仮説を思いついたんだけど。
何?
初演の時のオフィーリア役の役者さんが、下手だったんじゃないかと。(注:当時は女優はおらず、女性役は少年俳優が演じました)
えー?!
新人君で美形だけど、演技とか台詞おぼえとかぜんぜんダメだったんじゃないかと。
「ヘッタクソ! ああもう、この台詞もこの台詞もせっかく書いたのにカットカット! よし、いいか、おまえは、はいお父さま、はい殿下、だけ言ってろ。あとはちょっと泣いて、テキトーに歌でも歌ってろ。稽古再開!」とかってw
すごい妄想力w
どう? 賛成してくれない?
うーん、ちょっとどうかな。。。
じゃあイナホーの仮説は?
そうだね。。。『ハムレット』って4,000行以上あるんでしょ。ハムレットだけじゃなくて、もうみんなすごいしゃべくるじゃない、クローディアスもポローニアスも。これ以上オフィーリアまで語りだしたら収拾つかない。
あーやっぱそっちかー。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

宮﨑稲穂(みやざきいなほ/イナホー)

俳優。シアターユニット・サラ専属。旗揚げから全作品に出演し、現在に至る。名前だけ見て女子と間違われることがあるが、男性。居合道六段、剣号「宮﨑哲舟」(てっしゅう)。


実村文(みむらあや/ザチョー)

劇作家・演出家。ときどき女優。シアターユニット・サラ主宰。NOVEL DAYSでは未村明(ミムラアキラ)名義で執筆。

イナホー

ザチョー

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色