その13 仮説その2:ハムレットのサディズム=自傷行為?
文字数 624文字
(宮﨑がいつまでも絶句しているので、しかたなく自分で語りだす)
原作の、二幕の殿下ご乱心のシーンって、観客はフェイクだってはじめから知ってるし、べつに怖くないんだよね。ポローニアスが探りを入れて、ハムレットがそれをかわして、なんかずーっと漫才みたいで。
だから、どうしてこんなヒリヒリしたの書いちゃったか、自分でもわからない。
私ね、長い間、この劇中劇のシーンのハムレットが本当、ぜんぜんわからなかったの。すごくサディスティックじゃない? 「修道院へ行け」ってあんなひどい振り方した後なのに、オフィーリアに無理やり膝まくらさせて、やらしいジョーク言ったりして、この男なんなのよとずっと思ってたのね。それが、ふと、これもしかして、一種の自傷行為?と思いついて。
オフィーリアも彼自身の一部で、オフィーリアを傷つけることで自分をその倍傷つけているのかもしれない。そう仮定したら、すごく哀しいハムレットの顔が浮かんで見えてきたの。
オフィーリアも彼自身の一部で、オフィーリアを傷つけることで自分をその倍傷つけているのかもしれない。そう仮定したら、すごく哀しいハムレットの顔が浮かんで見えてきたの。