その13 仮説その2:ハムレットのサディズム=自傷行為?

文字数 624文字

いやー、これは突き刺さった。

メールで送って読んでもらったとき、泣き顔マーク来たね。
いやー痛かった。
気に入らなかった?
いやいや。。。
なに、なに。え、なに?
。。。

(宮﨑がいつまでも絶句しているので、しかたなく自分で語りだす)

原作の、二幕の殿下ご乱心のシーンって、観客はフェイクだってはじめから知ってるし、べつに怖くないんだよね。ポローニアスが探りを入れて、ハムレットがそれをかわして、なんかずーっと漫才みたいで。

だから、どうしてこんなヒリヒリしたの書いちゃったか、自分でもわからない。
おれはわかる。
えマジで!?
わかるよ。
。。。ありがとう。。。
私ね、長い間、この劇中劇のシーンのハムレットが本当、ぜんぜんわからなかったの。すごくサディスティックじゃない? 「修道院へ行け」ってあんなひどい振り方した後なのに、オフィーリアに無理やり膝まくらさせて、やらしいジョーク言ったりして、この男なんなのよとずっと思ってたのね。それが、ふと、これもしかして、一種の自傷行為?と思いついて。
オフィーリアも彼自身の一部で、オフィーリアを傷つけることで自分をその倍傷つけているのかもしれない。そう仮定したら、すごく哀しいハムレットの顔が浮かんで見えてきたの。
(ぽつりと)哀しいよ。
え、うそ、泣いてる?
泣いてないけど。
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登場人物紹介

宮﨑稲穂(みやざきいなほ/イナホー)

俳優。シアターユニット・サラ専属。旗揚げから全作品に出演し、現在に至る。名前だけ見て女子と間違われることがあるが、男性。居合道六段、剣号「宮﨑哲舟」(てっしゅう)。


実村文(みむらあや/ザチョー)

劇作家・演出家。ときどき女優。シアターユニット・サラ主宰。NOVEL DAYSでは未村明(ミムラアキラ)名義で執筆。

イナホー

ザチョー

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