第26話 矯正

文字数 7,641文字

 矯正


 私が学校から家に戻ると、誰の声もしなかった。お父さんは店長として店の仕事が忙しい。ひとつの家にいっしょにいるのだが、最近は話したこともなかった。お母さんはほとんど毎日カラオケ教室に熱心に通っていて、スーパーに寄って帰ってくるので、このところ、夕食がいろいろ揃って手がかかっている。

 階段を上がる。何気なくミチルの部屋を開けると、カーテンを閉め切った真っ暗な部屋で「入ってこないでよ」と、ミチルが怒鳴った。妹は今日も部屋にこもっていたのだ。
 妹のミチルは少しずつ部屋にこもりだした。同級生の小島ユウキが死んでからのことだ。何かにおびえているが、その原因がわからない。友だちの死がショックだったせいだと、親は何も言わずにそっとしているけど、少し違う。ミチルはキャロリーンに関わることを知ってるはずだった。増殖していった苔がマリエの姿になるのを見たと言ったこと以外に、もっと知ってるはずだ。だから何とか聞き出そうとしたが、彼女は部屋から出て来ない。食事もお母さんがお盆に入れて運び、部屋の前に置いていた。

 お父さんも店長になるまでは、早番のときはいっしょに夕食とれたし、家族4人で食べていた。ミチルはゲームのこと考えて、会話にほとんど参加しなかったけど、それでも家族みんなで食卓を囲んでいた。

 部屋の内部で何かをひきずる音がした。ミチルがドアを開けられないように、ベッドを動かしている姿が思い浮かぶ。

 私は自分の部屋に行き、ゆっくりと机の前に座った。やりかけたままの参考書、ノート、教科書が不揃いに机の前に並べられている。めくられてない7月のままのカレンダー、ボードにとめられた好きな映画のポストカード、置きっぱなしの洋服、雑誌、机の隅のケシゴムのカス。

 涙があふれた。机に突っ伏せる。あまりにも、あまりにもひどいことばかり起こりすぎた。コージまで死んでしまった。ビルの屋上で集まってたみんなは誰もいなくなったのだ。学校へ行っても授業に集中できず、友だちとの会話にも入りきれない。日常がずいぶん遠くに思える。

でも泣いてばかりいられない。いつもの自分に戻りたい。不安だからこそ、日常の自分の生活をちゃんと送りたい。私は大きく息を吸うと、参考書を探した。新しく買ったままで、何も手がついてないあの参考書から始めようと思った。参考書はビニールの手提げ袋に入れっぱなしで、机の横に置かれていた。それを取り出すと、1枚のくしゃくしゃの紙切れが落ちた。

それは、あの黒い鞄に小さな瓶といっしょに入っていた、謎の文章がある紙だった。どうやらあのとき、持っていたこの袋に何の気なしに入れたようだ。もう一度、その文章を読む。


太古の昔、『聖なるもの』は闇と火の中に存在していた。
人々はそれをときには神と呼びあがめ奉り、そして怖れた。
『聖なるもの』は彼等を浄め、生まれ変わらせてくれる絶対的な力をもっていたからだ。
彼等は祭りや儀式のときだけその『聖なるもの』の住む世界と交わることができた。
彼等が浄められるためには、彼等の王がその力を示し支配者としての超越的な存在でい  
続けるためにも、偽りの王を自分の身代わりに祭司にたて、儀式の終りに生け贄として
『聖なるもの』に捧げなければならなかった。
 私はいま、太古の人々と同じように『聖なるもの』の存在を確信している。
その意思は沈黙のうちに私に語りかけてくれ、素晴らしい力を与えてくれる。
この世の邪悪なものと闘う強い意志と勇気、そして迷うことのない行動力を・・・。


 初めてこれを読んだときとは、言葉の意味がまったく違って見えた。今はひどく恐ろしいものを見ていると思う。アイラ、トモエ、サヨコ、レイジ、ロク、コージ、みんなのことが浮かぶ。“儀式の終りの生け贄”、それがみんなにふりかかった出来事なんだろうか。そして私にもふりかかってくるんだろうか。いったい誰がこれを書いたんだろう。


 私は廊下をひとり逃げる。どこまでいっても、どんなに角を曲がってもひたひたと足音がついてくる。殺されたくない。マシタを探したけれど、彼はどこにもいなかった。階段を駆け上がり、ひとつの扉を開けると、そこにはおばあちゃんがいた。
「おばあちゃん。病院にいたんじゃなかったの?」
 おばあちゃんはホームから病院に運ばれたんだ。おばあちゃんはそれには答えず、前にたくさん並べた器を指して、「ヒジリ。この中から好きなものを選んで、持って行きなさい」と言った。大きい、小さい、丸い、角い、黒、茶、白、いろいろある。私は大きな黒い茶わんを手にした。するとおばあちゃんが「あなたにはこちらの方が似合うわ」と、虫カゴを出した。その中には骨が見える腐った指が、虫のようにごそごそ動いていた。
「ほら、鳴いているでしょう?」とおばあちゃんが左右にも現れ、3人で笑った。


 悲鳴をあげて目がさめた。部屋はまだ夜が明ける前で、少しものの輪郭が見えだしたころだった。階下で何かの音がする。これも夢じゃないだろうかと、不安になって下りてみると、お母さんがおばあちゃんの着物を片付けていた。もうこの着物を着ることのないおばあちゃん。変な夢を見たのは、祖母が死んで間もないせいだと思った。

 夏の終り、おばあちゃんが亡くなった。お葬式のとき、お父さんの仕事関係の人がたくさん来て、お父さんとお母さんはひたすらお辞儀をしていた。おばあちゃんが会ったこともない人たち。この世のしくみはわかっているけど、おばあちゃんのことを知ってる、別れを惜しんでいる人たちだけで見送ってあげるのがいいのにと思った。なんて世の中はややこしいんだろう。当たり前に正直に思ったままの行動ができないことが多すぎる。しないことも多すぎるよね。私もいつも心のどこかに、内と外を隔てる扉を持ってる。知らん顔して流されていけば楽だから、その扉には鍵をかけてしまうんだ。

 息子であるお父さんでさえ、弔問客のことや葬式の段取りにかまけて、親戚には「おふくろも大往生だよ」とか「結局はおれと兄貴で分けることになるのに」とか、ひどくあっさりしているように見える。
 兄貴と分けるっていうのは、おばあちゃんの畑の土地のことだ。昔、うちが家を新築しようかって話になったとき、その資金に畑を少し分けてもらえないか相談したけど、おばあちゃんに断られたことを言ってたんだ。お父さんはそれを根にもってて、時々不満げに話してたけど、お葬式のときまで言うなんて。まるでおばあちゃんよりお金が好きみたいで嫌だった。でも大人は家に帰ると扉を閉めて、そんな話ばかりしてる。


「なにやってるの?今頃…」
 お母さんはおばあちゃんの着物を、片っ端から取り出しては横に放っている。
「捨てるのよ。もう、お父さんたら形見わけにって、親戚のかなえさんにいちばんいい着物あげて。あれは私が欲しかったわ」
そうきっぱりというお母さんは、なんだかいつもと違う人のようだった。

 そのとき、箱の中からあざやかな紫地に薄いピンクの花模様が入った着物がでてきた。
「きれいな着物」
「これは襦袢よ。着物の下に着るもの」とお母さんが笑う。
「下に着れば見えないのに」
「見えなくてもなんでも、美しいものを身につけたいのよ。女は」
なんだか、お母さんが女という言葉を使うとどきりとした。


 朝、何やら玄関で話し声がする。お父さんは仕事のはずだと思いながら下りて行くと、マシタが来ていた。
「ヒジリ、マシタさんと何の約束?」お母さんはマシタを少し不快げに見た。
「ちょっと調べることがあって」
あのメモを見つけて、マシタにメールしていたのだ。

「塾もあるでしょ、遊んでる暇はないんじゃない」
「すいません。僕がヒジリさんに頼んだんです」と、マシタが頭を下げた。
「あなたが探してるものは、ここになんかありませんよ」
お母さんは嫌味っぽい。
「じゃあ、あれはどこでしょう」
マシタが変なことを言うが、お母さんは無視した。


 時々思い出したように、ふつふつと沸き上がってくる感情がある。どうせ言ってもわかるわけがないんだ。逆に非難されるだけだ。今もお母さんは、もうすぐテストがあるっていうのに、何をつまらないことしてるのとか思ってるだろう。自分の守備範囲にないことを娘がするのは許せないんだから。

 彼女は私がすること、何でもひとつは文句を言う。いつも私を否定する。私はあなたじゃないのに、あなたになれと言っているみたいだ。「そんなことしたって」「なに言ってるの」「はずかしい」「常識じゃないの」「できるわけないのに」、どれもこれも全部否定的な響きだった。

 できないのも、はずかしいのも、私じゃない、お母さんだ。大きな森から小さな1本の木を選び、そこから削り取った程度のちっぽけなあなたという型枠に、ぎゅうぎゅう押し込められている私。それをお母さんは本気で愛情だと思い込んでる。言われるたびにどんどんダメになっていく、存在価値がない私。だってお母さんにはなれない。だから、時々私を消し去りたいと思うんだ。だからアイラの言ってたことは正しい。自分をなんとかして優越感の持てる存在にしたかったんだ。

 服を着替えに階段を急いで駆け上がる。妹のミチルはまだ寝てると思ってたけど、ずいぶん前に貸してそのままだった服をとりにいったら、カーテンを閉めたままの暗い部屋で、パソコンに向っていた。
「ミチル、カーテンも開けないでなにやってんの」と、カーテンを開けようとすると、妹は「開けないで」と言った。
「目が悪くなるよ」とも言ったが、やはり「開けないで」ときっぱり言った。

 パソコンの画面に、キャロリーンの文字が見えた。キャロリーンという仮の姿をした悪魔が人の身体を乗っ取って、次々と人を自分のしもべにしていく様子が書かれてあった。
「なんでキャロリーンを知ってるの?」
「お姉ちゃん、バカじゃないの?ただのお話よ」
「何なの、これは!」
「マリアが作った話。ユウキが死ぬ前にチャットで書いてたのを、ダウンロードしていたんだ」

 マリアとは、死んだ小島ユウキがネトゲで、自分の身代わりにしていたサイバーヒロインだ。
「最後はマリアも乗っ取られそうになるところで終るの」
住宅地の人々が悪魔の秘密結社に次々と加わっていき、町中の人間がおかしくなっていくという話だった。

「ねえ、ミチル。何があったのか教えて」
 妹は無言なまま画面を消した。
「おかしいよ。この街中変なことが起こってる。私の周りでも…。あんたのまわりでもそうでしょ?私はマシタと調べてるの。お願い。知ってることがあったら教えて」

ミチルはしばらく考えていたが、何かを決意したように私を見た。
「お姉ちゃん、あの」
彼女が何かを話そうとしたとき、「ミチル」と、声がした。いつのまにかお母さんがドアの隙間からのぞいていた。そのとたんミチルは「何も知らないから」と、私を部屋から追い出して扉を閉ざした。

「ヒジリ、ミチルとなにしてるの?マシタさんが待ってるのに」と、お母さんはにこやかに言った。
 階段をおりると、トモエの家のとなりに住んでる河北さんが来ていた。
「まあ、ヒジリちゃん、こんにちは。ヒジリちゃんのお友達だったんですってね。トモエちゃんが刺したって聞いて、私ももうびっくりしたわ。ショックよねえ」と、大袈裟に驚いてみせた。

「カラオケ店に行ってみたよ」
 マシタが玄関を出ながら、私に言う。何か思い当たることがあるみたいだった。
「それで?」
「きみの妹が言っていた日には、店に来ていなかったそうだ」
「そんな…ぜったい行ってるはずだよ。苔は?」
マシタは首を振った。
「店内も調べたが…、暮田伸哉が何か知ってるかもな」
だが、いまだ彼は行方が知れない。
「とりたてて怪しいところはなかったが…」マシタは歯切れが悪かった。「何かひっかかってる気分だ」

 振り返るとお母さんと河北さんが、窓のカーテンの隙間からこっちをじっと見ていた。そういえば『サードアイ』がつぶやいたことを思い出した。
「聞いてる?」
「あ、うん。あれって河北さんのことじゃないのかな。ほら、となりの2階から見ている女って『サードアイ』が言ったこと」
「それなら、彼女はトモエが刺したのを見ていたことになる」
「まさかね。だったら最初に警察に言うよね」
あわてて打ち消した。

「本当に見ていたとしたら、違う意味を持つ」
「どういうこと?」
「より強いキャロリーンの影響だ」
 マシタは自分の考えに夢中だ。そんな彼を見ながら、ケイという女の人が言ったことを思い出す。本当は、彼には近付かない方がいいんじゃないだろうか。

 車に乗ると彼は地図に目を落とす。ファミレスでコージが言ったことは正しい。苔を探してどうするのか、ここへ来る前は何してたのか、どうして彼が探す必要があるのか、本当に彼はどういう人なんだろう。
「ねえ、マシタって奥さんとかいるの?」
彼は一瞬きょとんとした顔をした。

「妻と5歳と3歳の娘がいる」と、間があり「とかっていえば普通かな」と笑った。
「なんだ、いないの。彼女も?」
「残念ながらね」
「でも、つきあってた人とかいたでしょ?」ケイという女の人を思い浮かべた。
「どうしてそんなこと聞くんだい?きみにも聞いた方がいい?」
「向こうでは何してたの?苔の研究?」
「普通の仕事だよ。そんなこと聞いてどうする?」と、彼は笑ったが、私は真剣だった。
「あなたは自分のこと、何にも言わない。言いたくないみたい。ずっと囲いを作ったままで、それで苔の行方探してるから私に協力しろって、それはないんじゃない?」
マシタは困ったような顔をした。
「見つけたよ」むすっとしたまま例の紙きれを差し出した。

 彼はそれを読むと、顔を上げた。
「これを書いたのは、父なんだ。僕の」

マシタは再び紙切れに視線を落とした。
「父はあの苔の研究をしていた。あの苔の細胞は異質な侵入物と同化しようと働く傾向があった。うまく同化はしてなかったが、再生医療や軍事的に役立つのではないかという基礎研究に使われていたんだ。だが、あのキャロリーンは強烈な幻覚作用があった。父は精神をキャロリーンに支配されてしまったんだろう」と、一呼吸おくと、「だから、弟を実験につかった」と言った。

「どういうこと?」
「ギニアピッグだよ。弟は10年間ずっと、実験用動物だったんだ」
意味がわからなかった。
「キャロリーンの遺伝子の一部を組み込む実験の」
「どうして」

「この“聖なるもの”のためさ。きっとそれが自分に力を与えてくれると思った。弟にも聖なる力を与えてやれる、浄化してやれると思ったからそうしたのかもしれない」
「与えられたの?」
「キャロリーンが支配するという意味でならね。だが、弟は抵抗した」
確かな自分を見出せないものは、悪に導かれる。そう『サードアイ』が言ったっけ。
「ねえ、じゃあ、人によって善悪、受ける作用は違うの?」
「そう願うよ」
マシタは車の窓の外を見つめた。私にはそれが、とても遠いまなざしに思えた。

 さっきのミチルの部屋で見た、ユウキが死ぬ前に残した話をすると、彼の顔色が変わった。
「やはりもう一度、あの店に行ってみよう」


 カラオケ店は、私の住む住宅地のはずれ、いちばん上の高台にある。車を置いて歩いてのぼっていった。

 扉を開けて中に入ると薄暗い。窓に色がついているせいだろうか。
「まだですよ」と声がした。振り向くと、掃除道具を手にした男の人が立っている。またかという顔をしたが、「こんにちは、私は隅田と申します」と、男は私ににこやかに言った。カラオケ教室の先生だ。

 隅田は年は30代だろうか、すらりと背が高く、驚くほど人を惹き付ける美貌の持ち主だった。カラオケの先生だけあって、地声もきれいでよく通る。

「とにかく、あの日、小島ユウキくんは来てませんよ。確かによくこの店には来てましたが、来るのはいつも土曜日とか休みの日でしたからね。平日には来ません。警察でも、教室に来られるみなさんにでも、誰でも聞いてみてください。それともまた部屋を見ますか?」
「小島ユウキが死ぬ前にこんな話を残してます。キャロリーンという仮の姿をした悪魔が人の身体を乗っ取って、人々を悪魔の秘密結社に陥れていく…」
「いったい何のことですか?」隅田は大笑いで遮った。

「あれはどこでしょう」と、マシタはまた唐突に言った。
「あなたの探し物なんて、ここにあるはずがないでしょう」
笑顔が消え、隅田は真顔でそう言った。

「どうしてだろうな」
 マシタが店を出ながら言った。
「みんな同じことを言うと思わないか?」
「みんな?」
「そうだ、きみのお母さんも、僕が探してるものはここにはないと言ったけど、どうしてそれがわかるんだ?その苔を知らないと、僕が探してるものはわからないだろう?」
「まさかお母さんが苔を持ってるの?」
思いもしなかった。
「それならきみの家にあるだろう?だが、苔を知ってる。だからどこにあるのか聞いても答えなかった。あの先生もね」
彼が唐突にたずねた意味がわかった。

「その『サードアイ』がきみに言ったことが実際あったことだとしたら、河北さんも小島ユウキを刺したのがトモエだったことを知って驚いたとわざわざ言ってるのもおかしいことだ。みんな先になんとか予防線をはろうとしてるみたいだ。そして核心をたずねられると黙る。まるでうまく世間を渡って行くにはまだ未熟な子どもみたいだな」と言って、マシタは小さな声をあげた。「そうだ、おそらくまだ未熟なんだ。ここで小島ユウキが瓶を開けたために、キャロリーンの影響がこのあたりにいる人に顕著に現れたのかもしれないが、まだキャロリーンは人間をコントロールすることがうまくできない。まだ育ってない状態なのかもしれない」
「じゃあ、お母さんもキャロリーンの影響を受けてるの?」
「お母さんだけじゃない。僕はこの街で起きていることはただの事件じゃないと言ったよね。街全体に影響が出つつあると思う。それを止めるにはキャロリーンを処分するしかない」
「早く探さないと」

 そのとき、人影が走った。
「誰だ?」マシタが走り追い掛けた。タックルし、何者かといっしょに転がる。私もようやく追いついた。彼が押さえつけているのは男だった。顔がこちらを向く。
「レイジ」
思わず口にした。マシタも驚いている。家にひきこもったまま、学校に出てこないレイジが、目の前にいる。
「なにしてたの?」

「放せよ」と、レイジは声を荒げた。マシタが放すと、彼は痛そうに腕をさすった。久しぶりに見る彼は、ひどくやつれたように見えた。目がぎらついて見える。
「おれはだまされないからな」
「レイジ、どうしたの?」
「獣を探してる。ここから出て来たのは、ものすごい獣だった。そいつを追って林の中に行ったら、獲物を捕って、巣に大事そうに埋めてた。絶対見つけてやる」と、彼はあたりをきょろきょろすると、坂道をせわしそうに下りて行った。
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