第29話 やっぱり、恋?
文字数 709文字
急にマドカが真面目な顔をした。
「さあ、私たちの正体がわかったでしょ。それで、どうする?」
「どうするって?」
「私たちが見える子供の中には、気味悪がる子たちもいたわ。だからもしそうなら、私たちはシュン君の前には現れないし、今までの記憶も消してあげる」
冗談じゃなかった。昨日、かわいいいとこを助けてもらって、ろくにお礼も言っていない。それに病弱なシュンは、学校でもおとなしくしていて、女の子と話す機会なんてそうなかった。たった二日だけれども、シュンには大切な思い出だ。
それに、これはれっきとした恋だ。かなうことはないかもしれないけれど。この気持ちは、忘れることはできない。その気持ちを伝えようと、口を開こうとした。すると、マドカが人差し指をシュンの唇に当てた。
「そう、うれしいわシュン君。それじゃあ、明日からもどんどん遊びましょう」
「やったあ。シュン君、遊ぼう!」
シュンは顔を真っ赤にしてうなづいた。心臓が爆発しそうだ。
「シュン君、宿題をできるだけ早く片付けるのよ。そうすれば、思い切り遊べるわ。いろいろ案内したいし。じゃあね」
こくんとうなづき、シュンは蔵の出口に向かった。足元が雲の上を歩いているような、ふわふわした感じだ。
外に出ると、ちょうど祖母が帰ってきた。時計を見ると、午前十時を過ぎたところだ。
「シュンちゃん、ただいま」
「ただいま!」
「おかえり!」
「ああ、おかえりなさい」
三人が車から降りてきた。アンリの挨拶は、相変わらず違っている。二人のいとこは、ソフトクリームを食べていた。
「シュンちゃんの分もあるから、どうぞ」
祖母はカップに入ったアイスクリームを渡してくれた。とても冷たくて、そして甘かった。
「さあ、私たちの正体がわかったでしょ。それで、どうする?」
「どうするって?」
「私たちが見える子供の中には、気味悪がる子たちもいたわ。だからもしそうなら、私たちはシュン君の前には現れないし、今までの記憶も消してあげる」
冗談じゃなかった。昨日、かわいいいとこを助けてもらって、ろくにお礼も言っていない。それに病弱なシュンは、学校でもおとなしくしていて、女の子と話す機会なんてそうなかった。たった二日だけれども、シュンには大切な思い出だ。
それに、これはれっきとした恋だ。かなうことはないかもしれないけれど。この気持ちは、忘れることはできない。その気持ちを伝えようと、口を開こうとした。すると、マドカが人差し指をシュンの唇に当てた。
「そう、うれしいわシュン君。それじゃあ、明日からもどんどん遊びましょう」
「やったあ。シュン君、遊ぼう!」
シュンは顔を真っ赤にしてうなづいた。心臓が爆発しそうだ。
「シュン君、宿題をできるだけ早く片付けるのよ。そうすれば、思い切り遊べるわ。いろいろ案内したいし。じゃあね」
こくんとうなづき、シュンは蔵の出口に向かった。足元が雲の上を歩いているような、ふわふわした感じだ。
外に出ると、ちょうど祖母が帰ってきた。時計を見ると、午前十時を過ぎたところだ。
「シュンちゃん、ただいま」
「ただいま!」
「おかえり!」
「ああ、おかえりなさい」
三人が車から降りてきた。アンリの挨拶は、相変わらず違っている。二人のいとこは、ソフトクリームを食べていた。
「シュンちゃんの分もあるから、どうぞ」
祖母はカップに入ったアイスクリームを渡してくれた。とても冷たくて、そして甘かった。