第71話 そらもとべるはず
文字数 2,023文字
いやー、ミスってしまったな。
沖縄行きの飛行機、1日間違えて予約してしまった。まさか新潟から帰ってその翌日に飛んで行くことになるとは、ね。予約の時に払い戻し出来るオプションをつけなかったからもう行くしかない。
こんなことなら新潟から飛んで行けばよかった、っていうのは失敗したからこそ思うわけで。トホホ。
格安航空とあって機内は狭苦しい。膝が前の席に付くほどに。なるほど、これが安さの理由か、と思うほどに狭い。椅子もあまり良くなく、これでもし海外とか半日かけて行くなら辛 そうだ。そりゃエコノミー症候群ってネーミングが誕生するでしょう。ほとんど空を飛ぶ乗合 バスだ。
現在は荷物の集計と搭載にたいへん時間がかかっているとのアナウンス。出発が10分から20分遅れるらしい。15分前に出発予定の隣の飛行機もまだ出発していないから、こういうものなんだろう。
飛行時間が長いから皆 、離陸後は寝てしまうことと思われる。暇だし。
なんでこんなにネガティブ発言ばかりなのかって? 怖いからに決まっている。僕はかなりの高所恐怖症なんだぜぃ。ガラスで囲まれた展望台は慣れてきたけど、地上から1万メートルも離れるなんて正気かいな。
さらに10分遅れるとのアナウンス。僕は現地に無事に着きさえすればそれでいい。お願いします。
本日宿泊するホテルも、帰りの飛行機も予約していない。全部現地に行ってから。さて、どうなることやら。
と書いていたら、キャビンクルーによる救命胴衣や酸素マスクの使用方法説明後、飛行機は滑走路を爆走し始めた。そしてスピードに乗ると、機体の前方を一気に引き上げる。ふわぁっと浮遊感。窓の景色は斜めになり、地上からどんどん離れていく。
やがて雲を抜けると、機体は果てしない雲海を見下ろしながら空を滑りさらに上 っていく。
雲からも離れ、窓には地上の風景が遥かな遠景として映りだした。
要するに、ちゃんと離陸してもらえたようだ。
飛び立ってしまえば新幹線のように少なめの振動。
予約時に余計なパックを付けていたようで、代金を払うことなく機内販売のメニューが提供されるとのこと。チョコレートマフィンとコーヒーを頂いた。
マフィンは機内で食べるには不向きだった。バンバン欠片 がこぼれ落ちる。でもコーヒーとはベストマッチング。甘さと苦さが口の中で結託 して楽しませてくれるんだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
小説の1話分をじっくりと書いて、ついでにこの雑記もここまで書いたところでそろそろ着陸体制に入るとのアナウンス。
機体の前方は若干下がる。一瞬身体が浮くような感覚。
右側の窓には沖縄の街が映る。右に傾いているということか。
ぐるりと海上を旋回しながら、徐々に高度を下げていく。
雲を上から下へと抜ける際、わずかに機体が揺れる。怖いっす。
やがて地上へ近付き、タイヤの接地の瞬間に今度は大きく揺れる。ふぃぃ怖い。
ブレーキ時には荷物が少しだけ前方へ動いた。
無事に那覇 空港に着いたようだ。
飛行機を降りて、空港ロビーまではバスで移動し、ようやく解放された。
美 ら海 水族館の前売り券を購入して空港前のバス乗り場へ。
……案内板を見てもよく分からない。
停まったバスの運転手さんに訊 くと、次のバスで行くことが出来るそうだ。
次のバスはすぐにやって来たが、経路が分からない。本当に水族館へ行ってくれるのだろうか。とりあえず近くにいる人に尋 ねてみた。その人もこのバスで水族館へ行くらしく、なぜか五円玉2つを十円玉に両替してくれと頼まれた。運賃は2000円みたいだがどんな払い方 をするつもりなんだ……。
水族館までのバス代を前払いして乗り込む。
これでひとまず落ち着いたことだし、本日のホテルの予約をした。安いけれどオーシャンビュー、水族館の近くにあるようだ。地図アプリで現在地と水族館のある本部町 の位置を確認すると、車で1時間半ほどの距離がある。那覇は沖縄本島の西南、水族館はそこから東北に走った所。東西でいえば中央付近、南北でいえば北の端 に近い。
バスの車窓を沖縄の街が流れていく。屋根が煉瓦 風になっていたり、白色の建物を頻繁に見かけるけど、そういう文化なのかな? この辺 りのことは博物館とかに行って知る必要がありそうだ。
しばらく揺られていると、海が見えてきた。雲天から晴天へ変わりつつあり、砂浜近くは翠 色に輝いて見えた。
ネットで調べると、どうやら沖縄の海は遠浅 であることと砂浜が白いこと、さらに黒潮 の速い流れのせいでプランクトンが少なく透明に近いことにより、エメラルドグリーンに見えるそうな。地形と海流による「沖縄ならでは」の現象なんですね。
とにかく頻繁に海の近くを通り、バスは走る。眼前に現れるたび天気によってコロコロ色を変える海の様子が面白くて、ただじっと窓の外を眺めていた。
そして美 ら海 水族館の近くでバスを降りた。強い風、潮の匂い。
次回は最強のすいぞっかん!
沖縄行きの飛行機、1日間違えて予約してしまった。まさか新潟から帰ってその翌日に飛んで行くことになるとは、ね。予約の時に払い戻し出来るオプションをつけなかったからもう行くしかない。
こんなことなら新潟から飛んで行けばよかった、っていうのは失敗したからこそ思うわけで。トホホ。
格安航空とあって機内は狭苦しい。膝が前の席に付くほどに。なるほど、これが安さの理由か、と思うほどに狭い。椅子もあまり良くなく、これでもし海外とか半日かけて行くなら
現在は荷物の集計と搭載にたいへん時間がかかっているとのアナウンス。出発が10分から20分遅れるらしい。15分前に出発予定の隣の飛行機もまだ出発していないから、こういうものなんだろう。
飛行時間が長いから
なんでこんなにネガティブ発言ばかりなのかって? 怖いからに決まっている。僕はかなりの高所恐怖症なんだぜぃ。ガラスで囲まれた展望台は慣れてきたけど、地上から1万メートルも離れるなんて正気かいな。
さらに10分遅れるとのアナウンス。僕は現地に無事に着きさえすればそれでいい。お願いします。
本日宿泊するホテルも、帰りの飛行機も予約していない。全部現地に行ってから。さて、どうなることやら。
と書いていたら、キャビンクルーによる救命胴衣や酸素マスクの使用方法説明後、飛行機は滑走路を爆走し始めた。そしてスピードに乗ると、機体の前方を一気に引き上げる。ふわぁっと浮遊感。窓の景色は斜めになり、地上からどんどん離れていく。
やがて雲を抜けると、機体は果てしない雲海を見下ろしながら空を滑りさらに
雲からも離れ、窓には地上の風景が遥かな遠景として映りだした。
要するに、ちゃんと離陸してもらえたようだ。
飛び立ってしまえば新幹線のように少なめの振動。
予約時に余計なパックを付けていたようで、代金を払うことなく機内販売のメニューが提供されるとのこと。チョコレートマフィンとコーヒーを頂いた。
マフィンは機内で食べるには不向きだった。バンバン
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
小説の1話分をじっくりと書いて、ついでにこの雑記もここまで書いたところでそろそろ着陸体制に入るとのアナウンス。
機体の前方は若干下がる。一瞬身体が浮くような感覚。
右側の窓には沖縄の街が映る。右に傾いているということか。
ぐるりと海上を旋回しながら、徐々に高度を下げていく。
雲を上から下へと抜ける際、わずかに機体が揺れる。怖いっす。
やがて地上へ近付き、タイヤの接地の瞬間に今度は大きく揺れる。ふぃぃ怖い。
ブレーキ時には荷物が少しだけ前方へ動いた。
無事に
飛行機を降りて、空港ロビーまではバスで移動し、ようやく解放された。
……案内板を見てもよく分からない。
停まったバスの運転手さんに
次のバスはすぐにやって来たが、経路が分からない。本当に水族館へ行ってくれるのだろうか。とりあえず近くにいる人に
水族館までのバス代を前払いして乗り込む。
これでひとまず落ち着いたことだし、本日のホテルの予約をした。安いけれどオーシャンビュー、水族館の近くにあるようだ。地図アプリで現在地と水族館のある
バスの車窓を沖縄の街が流れていく。屋根が
しばらく揺られていると、海が見えてきた。雲天から晴天へ変わりつつあり、砂浜近くは
ネットで調べると、どうやら沖縄の海は
とにかく頻繁に海の近くを通り、バスは走る。眼前に現れるたび天気によってコロコロ色を変える海の様子が面白くて、ただじっと窓の外を眺めていた。
そして
次回は最強のすいぞっかん!