第46話 変わりゆくもの

文字数 1,340文字

 友人のユージーンと一緒にバッティングセンターへ。
 意味もなくバッティング練習をしていたら、どうやら近くの大きな公園でお祭り開催中らしいとの情報を得た。

 100球ほどバッティングを楽しんでから、お祭り会場へと移動。
 キッチンカーは5台あり、広場では何やら色々なショーが(おこな)われていた。ちょうど小腹が空いていたので、ユージーンは「たません」を、僕は生フランクを食べた。いやぁ生フランク、美味(うま)い美味い。ジューシーで、噛むと油がジョワっと(あふ)れてくる。こういう普段とは違うシチュエーションで食べるものって、なんでか満足感が高いんだよなぁ。
 その(あと)ちょっとだけショーを見て、人が増えてきたので退散す。



 それで、東北を(めぐ)る旅について思うことがあった。
 11月初旬は東北をウロウロする予定だけど、滞在地選びに難航している。観光地というか観に行こうと考えているそれぞれの場所が遠くて、うまく動線をつなげることが出来ないのだ。

 でも、もしグルメ全振りにするならば、滞在地も動線もハッキリしてくるし、移動も割と簡単になる。九州、四国と海はたくさん観たし、美術館や博物館、歴史資料館なんかにもたくさん行った。低山ばかりとはいえハイキングもたくさんした。東北でも同じように行動するのはマンネリな感じがしないだろうか。それなら、東北ワタクシ的に美味(うま)いモン祭り、って割り切って進んで行くのもいいんじゃなかろうか。

 この雑記の初期の投稿を読んでみると、熱海旅行の最後にしっかり「食事より景観が大事」と書いていた。ゴメンよ過去の自分、お前の想いはサックリと無視してやるからな。
 旅をすると考え方が変わる。色んな経験をして価値観が変わることだってある。いいじゃないかグルメ旅だって。ねぇ。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 ランニング中に、昔よく遊んだ友達の家が更地になっているのを見た。ずいぶん前にその友達は家を出て行ってそれきり会ってなかったけど、敷地が大きくてかなり古い家だったから売却したんだろう。誰がというのは分からないしあまり興味の向かないことだ。

 一方で、最近ウチの周辺にドラッグストアが異常繁殖している。数年前までは1軒も無かったのに、今じゃランニング中に3軒も見るようになった。スーパーマーケットよりも食品が安かったり、セール時にはトイレットペーパーとかの生活必需品が安く買えるとあって、いつ店に入ってもレジ待ちの行列ができている。

 知ってる場所が失われていく。景色が変わっていく。

 今、旅先で観ることが出来る景色は、今しか観られないものだ。たまたま入った博物館や美術館での催し物も、もう二度と出会うことはないだろう。

 世界は変わり続ける。ウチの壁紙、ちょっと剥がれかけている所があるし、今日も都心ではたくさんのビルが建設中だ。隣の家に赤ん坊が生まれたと聞いた次の日には、どこぞのお爺さんが亡くなったと聞いた。
 僕もいずれはこの世から去ることになる。明日かも知れないし、50年後かも知れない。

 だからきっと、今日の景色を、生活を大切にしなきゃいけないんだ。意味なんてなくたって、今やりたいこと、今やってることに一生懸命にならなきゃいけないんだ。

 ということで、内面を磨くために次回は「断食体験に行ってみた」です。
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