第25話 Hiroshima Mon Amor

文字数 1,061文字

 ここ数日、
ALCATRAZZのHiroshima Mon Amor
をよく聞いている。
 この曲は文句無しに名曲だと思う。イングヴェイ・マルムスティーンのギターが奏でるメロディーは美しいし、グラハム・ボネットのヴォーカルも素晴らしい。もし良かったらYouTube などでチェックしてみて欲しい。
 私は長年のイングヴェイの大ファン、そして日本人なのでこの曲には思い入れがある。曲のタイトルに広島が入っていることからお察しのことかと思うが、この曲は原爆のことを歌っている。広島・長崎といえば、日本人が決して忘れてはいけない、日本は被爆国であり、核兵器の犠牲者であるという厳然とした事実がある。 
 ここ最近の映画をめぐる騒動、原爆を茶化すような映画ファンの投稿に、米ワーナー社が公式アカウントで好意的な反応を示したのが問題になったあの件で私が思ったことは、
「加害者は何らかの言い訳をして目を背け隠し続ける。でも事実は事実だ」
「被害者は決して忘れないし、忘れてはいけない。後世に語り継ぐ責任がある」
「人間が過去のあやまちから学ぼうとしなくなったら終わりだ」
 最初に投稿をした映画ファンは原爆が広島長崎の人々21万4千人(1945年時点の犠牲者数)を殺戮した事実を知らないのだろう。知ってたら冗談でもあんな投稿しないと思う。無知って恐ろしい。浅はかなワーナー公式アカウントの反応も無知故にしてしまったのだろう。
 彼らは自分がしたことの意味をわかっていない。彼らの行為がどれほど日本人を傷つけたのか。
 謝って欲しいとかは思わない。ただ彼らに真実を知って欲しい。確かに他国を侵略した日本は悪かった。本当に申し訳ないと思うし、二度としてはならないと思う。でも原爆を使う必要があったのか考えて欲しい。あわせて今起きている戦争で核が使われたらと想像してみて欲しい。
 それぞれの立場や正義があるのは認めるが、それでもやってはいけないことはあって、大多数の民間人を一瞬で殺戮し、一都市を壊滅状態にするような原爆を使うべきではなかったと私は思うのだ。
 知らなかった、もしくはそこまで考えなかったとしても、それを冗談にするなど極めて悪趣味だと思う。そして私は殺された人たちのことを思うと悔しいし、悲しい。

 誰もが加害者になり被害者にもなりうる。だからこそ、真実から目を背けたり、隠したり、後世に伝えない、過去のあやまちから学ぼうとしないことがどれほど罪深いことか、分かるだろう。そんな難しいことではないと思う。ただ真実を知って、想像してみて欲しい。







 
 



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