第21話 夕焼け空

文字数 374文字

 仕事の帰り、買い物を済ませ、重い荷物を抱えて家路を急いでいた。前方から歩いてきた女性に何か話しかけられたが、音楽を聴いていたのでよくわからなかった。 
 最初道を尋ねられたのかと思ったら違った。その人曰く、あまりに夕焼けが綺麗だったので感動をして、見知らぬ私にもそれを伝えたくて声を掛けたらしかった。
 夕焼け見てみますねと言って、会釈してその人とは別れた。
 少し見晴らしのいいところに出て、夕焼けを眺めてみた。確かに美しかった。ほんの一時、昼と夜の境目、淡いピンクと濃いブルーが混じり合おうとしている。 
 ここのところ時間に追われていて、空を見上げる余裕なんてなかった。
 普段はセンセーショナルな醜悪なものに目が行きがちだ。でも気付かないだけで、確かに善良なものや美しいものは存在している。

 教えてくださって有り難うございました。ほっこりしました。

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