第8話 Sorry, right number

文字数 1,147文字

 今回はそのまま怪談?です。

 私は海外ミステリーものを読まないのですが、阿刀田高さんのエッセイでこの話を知りました。Sorry, right numberというのは本のタイトルです。何かLong distance callに改題されてしまったらしいですが、ジャック・フィニィという人の有名な本らしいです。

 大分前のことであらすじを忘れてしまったのですが、確か老婦人のもとに毎晩電話がかかってきて、気味が悪いのでどこから電話がかかっているのか調べてもらったところ、それは電話などつながるはずもない(電話線が切れている)ところからかかってきていたという内容だったと思います。そして電話を受けた老婦人は最終的には死んでしまう。死神からの死の予告電話のようだから、「悪いけど、間違い電話じゃないよ」という意味であのタイトル。皮肉が利いていていいタイトルなのに何故改題してしまったのだろうと阿刀田さんがエッセイで書いておられました。

 関連があるのかどうかわからないのですが、もう何年も前の話です。

 ある日、外出先で父は自分の携帯の着信音がなっているのに気がつきました。出ると、ピー、ガチャガチャガチャなど変な音がします。そして、その変な音の向こうから、男性の声がしているのです。父「もしもし?」男性「もしもし?どちら様ですか?」どちら様って?向こうからかけてきたのにと父は思いました。同様の要領を得ないやり取りが続きます。小さくて聞き取りづらいのですが、聞き覚えのあるような声です。誰だろうと思いながら、埒があかないので、いったん切って、自宅へ戻りました。

 しばらくして、父の兄から自宅へ電話がかかってきました。○○(父の名前)から電話もらったと思うんだけれど、そのとき電話がおかしくてよくわからなかったのでうちの自宅へかけたということでした。「電話かけたのそっちだろ?」と父は応えました。そんなことはないと相手は主張します。両方が着信する電話ってあるのでしょうか?父が携帯の操作を誤った可能性があるということでそのときはうやむやになりましたが。着信履歴を調べたと思いますが、どうだったのか私の記憶から抜け落ちています。

 伯父は亡くなりました。電話の件があってから一年もたたないうちにです。うちの父は健在ですが。いまだに父はあれは着信したんだと言い張っています。実際側にいた母もそれを見ています。一方の伯父も自宅の電話を受け、それを家族が見ています。父でもなく伯父でもなければ一体誰が?気になるのは奇怪な音です。どうもその音がこの世のものではないような不気味さを持って迫ってくるのです。私の妄想なのでしょうか?人間でないものの力が働いているとしたら?死神が電話をかけてくるなんてことはないにしても……。 
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