皐月   黄昏

文字数 705文字

どこの町でも駅を中心に

スーパーや店舗が集まる

住宅と店舗兼住居の個人営業店が

入り交じる道路に出ると

車が増えてきた

ガードレールがなくなり

消えかかった白線すれすれを

私の横を

速度を落とし通り抜けていく



駅から歩いてきたであろう

背広姿の男性やOL達と

すれ違うたび

私は自転車を止め

脇すれすれにどいて

狭い二車線道路を進んだ



道路沿いの和菓子店の

店内照明が際立ち始め

ガラスの自動ドアには

向かいのマンションと黄色い空が

映っていた



単線の踏切を渡ると

銀行とスーパーが見えてきたが

そこまで行くのはかったるく

線路沿いの

広い駐車場を確保した

コンビニで自転車を止める



中に入るとチャイムが響き

女性店員のあどけない声の挨拶が聞こえてきた

外に車が数台停車していて

予想はしていたが

レジには数人の客が並んでいた



私の通う高校が近いため

学生達の会話が飲料売り場から

聞こえてくる



立ち読みで集まる雑誌売り場を歩き

ティーン向けファッション雑誌の表紙を

一瞥しただけで通り過ぎようとした時

集中して単行本を読んでいる

クラスメイトの男子の横顔が目に入った

名前はまだ覚えてないが

授業中、天然な発言をして

空間を和ませている華奢な男子だ



声をかけるような間柄でもなく

気付かれないよう

静かに離れようとした時

飲料コーナーから歩いてきた

ノリの良さそうな男子に

彼は頭を軽く叩かれていた

「お前、何マジで完読しようとしてんだよ」

笑いながら突っ込む男子に

彼は笑って答えたが名残惜しそうに

本を元に戻していた

「早く、おにぎり選べって。一個だけなら、おごってやるから」

「あれ? 北里じゃん。なんか買いに来たの?」

もう一人全く面識のない男子が歩いてきて

私に気が付き話しかけてきた

二人の男子も私に振り向く

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登場人物紹介

北里 舞 


本作の主人公  

地方住宅街に越してきた 

普通の高校一年だが 

自分の感受性を大事にしている


新田 俊 


舞が買い物帰りに旧住宅街で遭遇する  

バスケをこよなく愛する同級生  

クラスの女子にそれなりにモテる

栗澤   麻都佳 


学校近くのコンビニでバイトする 

舞の同級生にして親友


月成 


麻都佳経由で知り合う事になる

舞の宿敵の同級生 

可愛らしい外見の男子で 

女装してもバレない

織原   香月 


秋冬編から登場 

舞の中学時代の親友だった 

同じ高校に通うも...... 


常磐     景織子 


秋冬編から登場 

香月の親友の美人 

人とあまり関わりたがらない

柏木 

 

どうも景織子が好きらしい別クラス男子


基宏 


舞の中学生時代の思い出に 

出てくる男子

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