第4話 枕流亭

文字数 1,067文字

成瀬川るるせ
2023年6月14日 22:55




 山口駅から続くパークロードのその先にある、「枕流亭」という明治維新史跡をご存知だろうか。



















 この場所は、坂本龍馬の仲介で結んだ薩長同盟の志士たちが討幕のための密議をした小屋である。
 西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、伊藤博文といったメンバーが実際に集まったその場所に実際に入れるという隠れたスポットである。

 今日、僕は、NOVELDAYSの作家さんである桐乃さんといろんな場所を巡ったのだが、ひょんなことから、思いがけずこの「枕流亭」の内部に入ることになった。
 そうである、僕と桐乃さんも、文学的密議を今日一日していたのかもしれないな。
 今日、6月14日にあった出来事は、時系列には書かないし、明日一人で最後の目的地を見学し、それから改めて今日のことを書きたいと思っている。

 予告というか宣伝をしておくと、現在noteでリアルタイムに旅行中に旅行記を書いているけど、改めてNOVELDAYSにも転載した上で、このリアルタイム旅行記の写真中心の書き方ではなく、エッセイを追記したいと考えている。その時も、どうかよろしくお願いしますね。

 はい。宣伝は終わり。内容に移る。

 今、午後11時くらい。桐乃さんと別れて宿に戻ってきて、バスタブにお湯を張りながら頭から蛇口から出るお湯をかぶってしばらく放心していた。
 桐乃さんの職場で食事をご馳走になり、夜の電車に揺られながらどんどん言葉数が少なくなっていくのに、いいしれぬ旅情…否、詩情を感じた僕は、桐乃さんに言う。
「人生ってヤツはたまに信じられないような出会いや出来事を起こしてくれる……今日のような、こんな出会いを、ね」
「やぶからスティックになにを言ってるんですか、るるせさん?」
 と、桐乃さん。
「いや、お別れだから今日の締めに入ってんだよ」
「いきなり人生を語りだすからなにかと思いましたよ!」
「最後くらい格好つけさせてよ〜」
「もう眠いんじゃないですか? 目がうつろですよー」
 そんな会話をしているうちに、別れの時間がやってくる。
「るるせさんはまだ明日も行く場所あるんですから今日は早く眠ってください」
「はいよー」
 ……と、まあ、結局ぐだぐだになりつつ、別れもにゅるっと終わるんだけど。

 いや、今日も本当にたくさんの刺激的な旅が出来た。それは予告通り、何回かに分けて語っていこうか。

 では、ひとまず僕はビジネスホテルの洗濯機を回したいと思う。さーて、山口県、次の目的地まで行かなきゃ、明日。起きれるかすら不安だけど頑張るよ!! では、ひとまずさらば。
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登場人物紹介

桐乃桐子:孤高の作家

成瀬川るるせ:旅人

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