42.ネコ型配膳ロボットの案内

文字数 802文字

しばらく休んだ後、下りのエレベータに乗った。少し耳に気圧変化を感じながら、再びロビーへと戻る。

行くときは気づかなかったが、ロビーには台北101を題材にした絵がいくつか飾られているようだった。まだ時間に余裕があったこともあり、じっくり見てみたりする。それぞれに描き方は異なり、いろんなタッチや色で台北101を描いている。ノスタルジックな感じに書かれた絵のいくつかを気に入って、写真を撮る。台湾の人にとっても、台北101というのは、一種のモニュメントなんだなと思う。

なんやかんやで予約時間まであと20分だ。これなら店先で待っていても何とかなるだろう。
鼎泰豊のある所まで戻る。携帯で待ち時間を確認しつつ、付近にスーパーがあったのでお土産を物色したりして待つ。しかしもう14時だ。流石に腹が減った。

そして、とうとう自分の番号が表示された。予約票を入口にいるスタッフに見せて入店する。少し店先で待たされる。するとほどなくして配膳ロボットがやってきた。よく日本でも話題になっている、ネコ型配膳ロボットである。店員さんが何かを入力すると、ロボットについていくようにと促された。

実は初めてこの手の配膳ロボットの実物を見る。まさか旅先が初とはなあと内心苦笑しながらロボットの後をついていった。案内もできるなんてすごいな。

なんて感心していたら、途中で止まってしまう。どうやら、行く手に一瞬店員さんが横切ったせいで、何かエラーかセーフティ的なものが作動してしまったのだろう。このまま待っていればよいのか、それとも店員を呼び止めるべきか少し迷っていると、立ち往生している一人と一匹(一機か)を見て、店員さんが駆け寄ってくる。ロボットの操作端末から何かを確認していたが、どうにもならないことが分かったのか、店員さんが直接案内してくれた。

まあ、君は悪くないよ。とても混んでいたし、仕方がないさ。と心の中でネコ型配膳ロボットを慰める。
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