10.外貨両替も一苦労

文字数 729文字

空港に着いてまずやること。何が定石かなんてわからない。ただ、どう考えてもまずは外貨両替ではないかと思う。今日の世界において、何よりまず必要なのは金である。金が無ければ何にもできない。逆に金があればたいていのことは出来る。逆ではなくて裏か。裏でもないか。

というわけで、近くで両替できるところを探す。台湾の銀行が置いている窓口が見つかった。ここで両替をしていこう。

だが、なんといって両替をすればいいのだろう。台湾語はわからない。英語でもなんといえばよくわからない。そも、両替に限らず、なんと声かけていけばいいのだろう。日本だったら、何となく目線を合わせて軽く会釈でもしておけばいい。でも、外国でもそれで通じるだろうか。

そんなことに悩んでしまって、両替所付近をうろうろしながら思案を巡らす。でも、答えはなかなか出なかった。でも、空港で客がやりたいことなんてそう多くはないはず。両替はexchangeで通じるはず。以前に海外に行った時も、そんな感じで対応したはずだ。

少し、いや、結構長く悩んだ挙句に、両替所の窓口に立つ。どきどきしながら你好と呼びかける。

すると相手は「こんにちは」などと日本語で返してくる。そこで、すっかり安心してしまって、「はい、お願いします」と、赤くなりながら返す。日本語が通じるとなってしまった後は、もう普通に日本語でパスポートの確認やレートの確認をやり取りして、当座のお金を両替した。カードも使えるというし、そこまで多くを換金する必要はなかろうと、5万円だけ換金した。最後に謝謝と言って、窓口の人は元の作業に流れるように戻る。さすがに手馴れている。

両替がいったん一安心。やれやれ。このぐらいで、まごついていては前途多難だぞ。しっかりしろ自分。
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