20.少し休憩
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休みなしに弾丸で見て回ったものだからすっかり疲れてしまった。ロビーの椅子に座って一休みする。近くには、孫文の彫像があり、その台座には「博愛」と書かれていた。孫文何した人だっけな、と中華民国の立ち上げにかかわった人だよな、と昔習った記憶を思い返したりなどする。
休みながら、この後の旅程を確かめる。このあとは、士林駅に戻って、そこからさらに淡水信義線を北上し、終点の淡水へ向かう。何があるのかいまいちわかっていないが、台北近くの港町とのことなので、景色なり歴史なり、何か興味を引くものがあるだろうと当て込んでいる。
士林行のバスは約30分後に来るらしい。少し時間があったので、お土産を物色する。展示物を模したいろいろな物品が陳列されている。一通り見た後で、ポストカードを2枚ほど購入した。ポストカードが気に入ったからというよりは、ここ数年、旅先でポストカードを買って帰るようになっている。気軽に安価に旅に行ったという記録を残せる、という点で結構優秀な品ではないかと思う。
お土産を購入した後は、屋内で少し涼み、時間を見計らって外のバス停に向かった。もう正午に差し掛かろうとしており、猛烈な日差しである。数分もしないうちに汗が噴き出てきて、たまらず自販機でコーラを買ってしまった。
そうしているうちにバスがやってくる。故宮博物院へは歩いてきてしまったので、これが台湾で初のバス乗車である。ちゃんと乗れるだろうか、悠遊カードはどこにあてればよいのだろうか、とおっかなびっくりに乗車する。幸いにしてそれほど躓くことなく乗車することが出来た。ただ、カードをタップした時の改札の機械のレスポンスが弱くて、少し不安になったりなどした。
席は満席。立ちの客も多く、それなりに混んでいる。リュックを手に提げて、つり革を掴む。
バスは発信して、朝汗水を垂らして歩いてきた道を引き返していく。当然のことだが、やはりだいぶ楽だ。窓の外の景色を眺めながら、バスが到着するのを待つ。歩いて30分程度の道だから、そう長くはかからないだろう。