2.旅行の準備は進まない

文字数 1,043文字

台湾への旅行を発起し、仕事の調整を始めたのが旅立つ1か月前。
まだ飛行機もホテルも予約していない。そんな僻地に行くわけでもないし、気楽な一人旅なのだからまあ大丈夫だろうという思いもあるが、それにしてもちょっと後手に回っているような気もしている。そもそも、2泊3日にするか、3泊4日にするかも決めきれていない体たらく。

決意したときは行ってみたい、行ってみようという思いでいっぱいなのだが、実際に日が近づいてくると億劫になってきてしまう。準備としてやるべきことや確認するべきことがいろいろあって、目先のこと仕事はもちろんのこと、生活上の必要で対応するべきこと、例えばスーツをクリーニングに出すとか、部屋の掃除をするとか、そういうことを優先してしまっていて、なにかと手がつかない。

そんな調子で過ごしてしまって、最終的に飛行機の予約を入れたのが2週間前だった。悩んだ末に3泊4日にして、1日目と4日目はほぼ移動になるような想定で、往復の便を予約した。台湾の航空会社の便で往復5万円。もっと安いチケットもあったが、出発到着の時間が微妙だったり、海外の旅行会社の仲介でトラブったときの応対が面倒そうだったこともあり見送る。行先も台北に絞る。高雄の方にも行ってみたかった。だが、それはまたの機会ということにした。

それからさらに1週間たってホテルを決める。台北駅の近くの宿だ。3泊で3万6000円程度。いろいろ見てみたが、安くもなく高くもなく、駅から近くて便利そうだったのでそこにする。土地勘がまるでないので、とりあえず大きな駅の近くのホテルであれば外れないだろう、という判断。

ここまででやっと旅行の大枠が決まったと安堵する。あとはこまごまとしたものを整理すればよいだろう。

そんな風に高をくくっていたら、気になるメールが旅行会社から飛んでくる。曰く、パスポートの有効期限が切れそうだとのこと。そんなはずはない、だって最後に更新したのは4年前なのだから、などと思いつつ旅の前提が崩れてしまっては何とも言えない虚無感に襲われるので、早々に確認する。結果、特段問題無かったのでよかった。

そんな風に過ごして早くも出発前日。
そういえばと思い出して、海外でのパケット通信の契約や海外旅行保険の加入などしつつ、スーツケースに荷物を詰めていく。そのタイミングになって、9月後半とはいえ台湾はまだ暑いのだろうかと考える。調べてみたら36度近くあるらしい。漸く日本は涼しくなりそうだというのに、好き好んで暑い国に行くわけだ。
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