26.夕暮れの夜市

文字数 722文字


20分ぐらいして電車は剣潭に着く。時刻は17時ぐらい。少し日が暮れ始めている。やはり有名で観光客が多く訪れるのか、駅舎を出たところで士林夜市はこちら、と案内看板が出ている。地図はあまりよく見ていなかったが、観光客と思しき人たちもそちらの方向に向かっていったので、特に調べずに人の流れのままに進んでいく。

少し歩くと、それらしき一画が見つかった。そのまま入ってみる。

狭い路地に屋台がいくつも出ている。フルーツジュース、串焼きといった分かりやすい食べ物から、日本ではあまり見ない食べ物なども見える。そうかと思えば、カレーのような香辛料の匂いに交じって、異様なすっぱい強烈な臭いが漂ってくる、もしやと思って寄って見てみるとやはり臭豆腐だった。素揚げにしたものに香辛料がかけられているようだ。なるほど、これが名に聞く臭豆腐。臭いは、ぎりぎり食べ物として許容できるレベルだが、さて手を出してみるべきか……。

そんな感じで歩き回ってみる。ただ、思ったより人も少なく、屋台も少ない。たぶん、まだ日も暮れていないし、来るのが早すぎたのだろう。屋台もちょうど準備をし始めたぐらいの感じだった。

さて、何を食べてみるべきかと思案に暮れながら、あちらこちらに歩きつつ目星をつける。オアチェンといわれる台湾風牡蠣入りオムレツと大鶏排は食べようと思っている。それ以外に何を食べるか。お腹の具合とも相談しつつ、ベストな選択を検討する。

そうこうしているうちに、大きなモールになっている建物を発見する。その中にもいろいろな屋台があるようだが、その地下がレストラン街になっているらしい。座って食べれるところがあるだろうか。ちょっと覗いてみてみようということで、階段を下りて行ってみる。
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