18.角煮と白菜

文字数 830文字

自分の分の写真も撮って、正面に見える建物へと進んでいく。左右に伸びる階段を汗を垂らしながら右へ左へと昇り、入り口にたどり着いた。

建物の中はしっかりと空調が効いていて少し寒いくらいだった。周囲を見渡して、諸々を確認する。入口は中央に。券売機と窓口は右の方。自動券売機もあるらしい。さらに奥には荷物用のロッカーがある。すぐそばの案内を見る限りでは、リュックは持っていけないらしいので、ロッカーに預ける必要がありそうだ。

キャッシュレスなら自動券売機が使えるとのことなので、利用を試みる。ただ、どういうわけかクレジットカードを読み取ってもらえないようなので、おとなしく窓口でチケットを1枚買う。

リュックをロッカーに預ける。スマホと貴重品だけを持っていく。チケットを持って入口を通った。平日でもとても混んでいると事前に調べていたが、そんなに気になるほどでもない。まだコロナも開けたばかりで観光客が戻ってきていないのだろうか。もらったパンフレットを開いて、まずは有名な角煮と白菜を見てみることにする。

その二つが展示されているスペースにたどり着く。ここも特段混んでいない。日本人と思しきグループが2,3ほどいるばかり。それほど苦労することなく観覧できそうだ。日本語の展示紹介もあり、読んでみたりする。

角煮こと肉形石。それから、白菜こと翠玉白菜。肉形石は結構小さかった。石とは思えないような、しっかりと煮汁のしみ込んだ脂身や赤身がよく再現されている。白菜の方は、翡翠の白い部分と緑色でうまいこと白菜らしく彫られている。葉の部分にはカマキリとキリギリスが止まっていて、いずれも精巧な造形。珍しい一品を見たな、という感じ。ただ、それ以上も以下もないかな。芸術はちょっとよくわかっていない。だが、見ている内に少し空腹を感じたりしたので、しっかり食べ物を連想させる当たりやはり流石なのだろう。

とりあえず一つ、名物といわれるものを見た。次はどこを回ろうか。パンフレットを広げてみてみる。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み