第49話
文字数 438文字
そういえばこんな事があった。
あきの出産を労う為に、デパートへひとりで行ってオーバーオールを買った。
僕はオーバーオールを着た女の子が好きだったから、あきにこそ着て欲しかった。
ずっと妊婦服ばかり着てたから、喜ぶかもしれない。
女物の服を買うのは恥ずかしかった。
サイズもわからないから、店員に色々相談した。
完全に僕の好みではない、少しフェミニンなものを選んだ。
丈が太もも丈だったのは、そんな配慮からだった。
あきはその服を見て、困った顔をした。
肌を露出したくないし、若すぎると顔を顰めた。
一度だけ着てくれた。
可愛かった。
けれどもあきは、二度とそれを着る事はなかった。
それから長い間、あきに服を買う事はなかった。
僕からすると、お義母さんから貰ったり、一緒に選んだ服は老けて感じたけれど、それを口には出せなかった。
みんな自然に生活していた。
僕だけがぎこちなく、ずっと不自然に、はしゃぎ、笑い。
長男が歩く様になると、僕は休みの度自転車であちこちの公園に連れて行った。
なるべく遠い方が良かった。
あきの出産を労う為に、デパートへひとりで行ってオーバーオールを買った。
僕はオーバーオールを着た女の子が好きだったから、あきにこそ着て欲しかった。
ずっと妊婦服ばかり着てたから、喜ぶかもしれない。
女物の服を買うのは恥ずかしかった。
サイズもわからないから、店員に色々相談した。
完全に僕の好みではない、少しフェミニンなものを選んだ。
丈が太もも丈だったのは、そんな配慮からだった。
あきはその服を見て、困った顔をした。
肌を露出したくないし、若すぎると顔を顰めた。
一度だけ着てくれた。
可愛かった。
けれどもあきは、二度とそれを着る事はなかった。
それから長い間、あきに服を買う事はなかった。
僕からすると、お義母さんから貰ったり、一緒に選んだ服は老けて感じたけれど、それを口には出せなかった。
みんな自然に生活していた。
僕だけがぎこちなく、ずっと不自然に、はしゃぎ、笑い。
長男が歩く様になると、僕は休みの度自転車であちこちの公園に連れて行った。
なるべく遠い方が良かった。