第45話

文字数 456文字

わたしの実家。
お父さんが頑張って建てた家。
お母さんを大好きなお父さん。
困り顔で持て余すお母さん。
おばあさん。
そこに、はるちゃんとわたし。
お腹の子供と黒猫ちゃん。
わたしが出て行ってから寂しかった家は、賑やかになった。
はるちゃん気を遣って大変かもしれないから、わたしが味方で居てあげなきゃ。
たったの4年ぶりだけど、すごく久しぶりな気がするなあ。
ここで色々あった。
毎日暗かった日々。
わくわく待ち焦がれた日々。
そして、はるちゃんと家族になって、帰って来たんだ。
はるちゃんとふたりきりの暮らしは楽しかった。
自由だったよ。
わたしとはるちゃんが良ければ、それで良かったんだ。
今は安心。
お母さんが側に居て。
はるちゃんも居て。
これからわたしは大仕事。
だから、安心が必要だった。
それからずっと、わたし安心中毒だったかも。
それは、今もそうかな。
だって、安心はいつでも足りなくなっちゃったから。
女は家族を守らなきゃいけないんだ。
それでもはるちゃんはずっとはるちゃんのまんま。
それで、良い筈だった。
わたしは家に、閉じこもっちゃったけれど。
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