第12話

文字数 619文字

それからわたしは高校・短大、その間に男の人とも付きあったりもした。
だけど、どしてもそういう事が嫌だった。
なるべくそうならないように、だけど、ずっと独りはさみしいし、いつか結婚しないと親だって心配しちゃう。
だから、はるちゃんの事もあの事件の事も忘れて。
忘れられないんだ。
どっちも。
そんな風に付き合うのは相手にも失礼だし、なかなか長続きしない。
良いことも悪いことも、極端だとどっちも毒になるんだ。
高校生の時に彼氏が出来て、でもとっても信用してた男友達も居て、その男友達とふたりでお泊り旅行行ったんだ。
そしたら、男友達は約束破って抱きしめて来たし、ちゃんと怒って断ったのに彼氏はカンカンに怒って、どっちとも気まずくなっちゃった。
わたし、どっちも怖かった。
男のひとは怖いんだ。
はるちゃん、どうすれば良いのかな?
はるちゃんとも出逢わず、あの事件もなかったら、わたし素敵な恋をして、みんなが言うみたいに気持ちよくなってたりしたのかな?
わたしおっとりした方だから、みんなにはお気楽だね、って良く言われる。
えへへ、って笑うんだ。
はるちゃんの事も、あの事件の事も、誰にも言えないよ。
そんな風で、わたし地元から出たくて、新幹線の車内販売のお仕事に就いて関西に行ったんだ。
もうはるちゃんとは会えないのに。
時々はるちゃんと会っちゃったらどうしよう?って思ったよ。
でもお仕事楽しかったし、寮生活、新しい友達。
今度こそ、ぜんぶ忘れてただ楽しく過ごせる。
そう思ってた。
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