第10話

文字数 773文字

はるちゃん、たくさん報告したい事があって夏休みまで待ちくたびれたよ。
わたしね、発育が遅い方だと思うけど、ついにだんだん女っぽくなって来たよ。
あの日、はるちゃんとそんなに違わなかったからだ、今はだいぶ違うかも。
でもね、やっぱりコンプレックスも大きくなってしまったよ。
今はあの日みたいに見せられないかも。
嫌われちゃうかも、って。
んー、やっぱり、はるちゃんに見てもらいたいかな?
乙女心はフクザツなんだ。
はるちゃんも男らしくなっちゃったかな?
あんまり会わないと、お互い変わってしまって会った時ガッカリしないか心配になって来る。
会いたいな。
陸上部のユニフォームで走ってるの、見たかった。
わたしはクラリネット吹いてるの。
結構上手になったよ。
先輩の最後の大会、はるちゃんの事考えてた。
受験だね。
志望校、決まった?
きっとレベル高いとこ行くんだろうね。
わたしも結構成績良いんだよ。
でもお兄ちゃんがすごく良い高校入ったから、お母さん「女の子はそんなに勉強頑張らなくても良い、良い人の良いお嫁さんになりなさい」って言ってくれてる。
えっへん。
その良い人は、既にもう居るのだ。
あとはわたしの花嫁修行だけだよ。
なんて、もちろん言えないけどね。
わたしは高校、短大行って、移動しながらたくさんの人と接する仕事したいんだ。
スチュワーデスさんとか。
そしたら、またはるちゃんと会える確率高くなる。
名案でしょ?
社会人になれば自分の意思ではるちゃんに会いに行ける。
だから、大学より短大。
ふたりとも大人になっちゃうけど。
わたしたちなら大丈夫なんだ。
はるちゃんに素敵な彼女が出来てたりしなければ。
ひょっとして、もう出来てるのかな?
その人に夢中で、わたしなんか忘れてるかな?
そんなの嫌。
でもはるちゃんには幸せでいて欲しい。
やっぱりフクザツな乙女心なのでした。
受験頑張ってね。
ではまた来年の夏に。
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