(26)九條紀子のクラス編入、惑星衝突の結果分析

文字数 926文字

九條紀子(実は原子力ロボット)は、(立花隼人の意を受けた)政府からの圧力で、立花隼人のクラスに編入した。
担任の森美智子に促されての自己紹介も、実にスムーズ。
「九条紀子です!隼人君とは幼なじみ、追いかけちゃいました!」
「隼人君、時に性格悪いので、私がフォローします」
(クラスメイトは、ドッと笑った)
「よろしくお願いします」
(大拍手になった)

受け入れたクラスメイトは、あっさりと歓迎した。
(クラス委員長伊藤恵美は、渋い顔をしていたが)

「うわ!可愛い!」
「お胸も張って、お尻もプリッと」
「隼人君と似ている!」
「マジ、お人形さんカップル!受ける!」
「こっちのクラスのほうがいいよ、ありがとう!」

九條紀子の席も最後列、華蓮の隣になった。
(華蓮を挟んで、伊藤恵美と九条紀子が囲む)

伊藤恵美が、九條紀子に(やや嫉妬まじりに)声をかけた。
「幼なじみって、隼人君と恋人なの?」

九條紀子は、ここでも強い。
「うん、同士でもあり、恋人でもあり、夫婦でもあり、離れられない関係なの」
「目と目で、コンタクトできるの」(実は、二台のコンピューターの連携連動になる)

またしても、ショックを受けた伊藤恵美は目が潤んだ。
「マジ?もうデキてる?」
(立花隼人は、素知らぬ顔で、窓の外を見ている)

九條紀子も(連動して)窓の外を見た。
「少し危ないかな」

立花隼人は視線をクラスの中に戻した。
「小惑星の衝突が発生した」
「地球に最初の残骸が向かって来る」
「地球到着は、4週間後」
「大きさで言えば、東京都程度」
「落ちる場所も、ほぼ特定できた」
「太平洋の真ん中」

九條紀子も分析結果を言い始めた。
「それでもマグニチュード10程度の衝撃」
「アメリカ大陸西海岸および日本列島は大振動する」
「人的被害は、2億を越える」

立花隼人は冷ややかな顏。
「NASAには、すでに分析結果を送った」
「すでに米軍、NATO、CIAが動き出した」
「日本政府にも送ったが、動きが鈍い」

九條紀子も頷いた。
「裏金対策と派閥懐柔で精一杯」
「大地震が起きてからでないと、動かない、いつものパターン」
(ただ、極めて小さな声での応答、伊藤恵美は、何も聞き取れなかった)
(学園長室でモニターを見ている松本華奈も気がつかない、官邸からの連絡もなかった)
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