(33)休日 靖国神社にて①

文字数 1,132文字

土曜日になった。
武蔵野学園は、休みである。
松本華奈は、提案した。(実は内閣官房の指示)
「武道館で、クリスタルプリンセス(※美少女トップアイドルチーム)のコンサートがあります」
「そこに行って欲しいの」

立花隼人は、全く無反応。
「行く理由が?」
九條紀子は、反応した。
「へえ・・・面白そう」

松本華奈が、ロボット二体の相異なる反応に困っていると、立花隼人が意外なことを言い出した。
「今、成田の税関とリンクしている」
「北京から、テロリストが三人入国した」
「母国の指示を受けて、日本国民への嫌がらせ行為を計画している」

九條紀子も反応した。
「そのパスポート番号から、スマホ情報をゲットして、ハッカーしました」
「靖国神社も、そのターゲットの一つです」
「次に皇居の破壊」
「自衛隊の市谷基地も」

立花隼人は、機嫌が悪そうに、松本華奈を見た。
「アイドルコンサートで遊んでいる場合か?」
「それで、日本の公安の役目が務まるのか?」

松本華奈は、真っ青になった。
さっそく上司に連絡を取ったけれど、全く把握していないことが判明した。

九條紀子が松本華奈に助け船を出した。
「武道館と靖国は近いよね」
「そこで待っていたら?」
「少なくとも靖国テロを止めれば、賞状もらえて、ボーナスでるよ」

松本華奈は、一も二も無く、頷いた。
そしてロボット二体に頭を下げた。
「ごめん、手伝ってくれる?」

立花隼人は、松本華奈のお尻をポンと叩いた。
「動きが遅い!」
九條紀子はケラケラと笑った。
「お尻も鍛えたほうが?」
(松本華奈は、今度は怒りで真っ赤になっている)

ホテルから靖国神社までは、政府のレクサスで移動。
ロボット二体は、被害の多い鳥居の前に立った。
(及び公安、警視庁百名体制で参道から本殿まで張り付いている)

少しして、多くの中国人観光客に混じって、「テロリスト三人」が歩いて来た。
松本華奈は、緊張した。
「あの三人?若い子だよね」
立花隼人の視線が強い。
「一人が落書き用のスプレー缶を持ち、一人が撮影、もう一人は周囲の監視」
九條紀子は三人のポケットを透視した。
「人間では、うかつに近づけないよ、三人ともポケットに小さなスタンガンと切れるナイフ」

松本華奈
「でも、あの三人を囲んでしまえば、鳥居に近付けさせなければ、事件は起きない」
立花隼人は、首を横に振った。
「その場合は、一緒に来た中国人が暴れる手はず」
「全員がナイフを持ち、しかも功夫道場に通っている」
九條紀子も続いた。
「彼らは、それが本国から与えられた仕事」
「ヘマをしたり、未遂の場合は、本国で家族も含めて粛清対象になる」
「だから、必死なの」

「テロリスト三人」を含む中国人団体が、鳥居の50m前に来た。
ロボット立花隼人と九條紀子は、「邪魔」をするかのように、立ちはだかっている。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み