(32)ホテルの三人

文字数 1,247文字

ホテルの部屋に戻ると、立花隼人と九條紀子は、ポンポンと服を脱ぎ、全裸となった。
(と言っても、人間を模したロボットの全裸である)

松本華奈が、「何をするの?」と見ていたら、九條紀子から声がかかった。
「お風呂に入ります」
「松本さんも、ご一緒しません?」

松本華奈は、迷った。
「隼人の身体を見るのは恥ずかしいし、身体では九條紀子に負けているし」
「でも、ロボットだよね、いいかな」(かなり混乱している)

もたついている松本華奈に、立花隼人から声が飛んだ。
「恥ずかしがる年頃なの?」
「それで警護役が務まるの?」

松本華奈は、本当に腹が立った。
そこまで言われて、実は張り倒したくなった。(勝ち目はないが)
負けじと、ポンポンと脱いで全裸になった。
それでも、昨日の「立花隼人による豊胸治療の経過」を確認した。
安心した。
「うん、Eカップ万歳だ」
「張り、上向き、形、問題なし」

安心ついでに、九條紀子の胸を見た。
「可愛いDカップだ、でもEはDに勝つ」
「お姉さんの余裕を見せてあげる」
(※治療前はAに近いBだったことを忘れている)

風呂は貴賓室らしく大理石の大風呂。
松本華奈は、ロボット二体に聞いてみた。
「ロボットが、自らお風呂に入るって、製作者の意図なの?」

立花隼人は、湯船の中で、松本華奈の乳房をツンとつついて、もてあそぶ。
「製作者はきれい好き、そのプログラムも仕込んだ」
九條紀子は、松本華奈の乳房をキュッと掴んだ。
「人間の乳房もいいな、大人女性の魅力だ」

松本華奈は、不思議な幸福感だ。
立花隼人と九條紀子に「乳房をもてあそばれている」のが、何やらホッとする。
朝以来の「度重なるミス」を許してもらえたような思いもある。
「いいか、乳房ぐらい、気持ちいいし」
「それに触っているのは、ロボットで人間ではない」

ところが、ロボット二体は、(そのまま、もてあそびながら)気になることを言い始めた。
九條紀子
「このきれいな乳房も、やがては?」
立花隼人
「当たり前、しぼむかな」

松本華奈は、「そう、はっきり言わないで!」と思ったけれど、違う質問に切り替えた。
「あなたたち、ロボットと言っても、思考が人間に近いような気がする」
「それも、製作者の意図なの?」

立花隼人は、すました顏で答えた。
「スーパーコンピューター富岳を搭載して、国会図書館、世界各地の大学図書館の蔵書とリンクしているし、各国政府の機密にもアクセスできる」
「様々な人間の思考形態を分析実行することも可能だ」
「それもあるが、このロボット二体のメイン部分には、政府も知り得ない秘密がある」

九條紀子も頷いた。
「人間では、技術的には、理解しえないと思います」
「説明しても、わからない」
「それほどの希少な技術を、製作者立花昇一が見つけたの」

松本華奈は、全く意味不明。
でも、この超高性能ロボット二体と議論きるほどの知力も能力も無いのは、事実。
質問は、諦めてしまった。

それと、「もてあそばれ過ぎて」、身体の蕩けも始まっている。
とにかく快感なので、難しいことを考えること自体が、無理になってしまった。
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