(20)ロボット立花隼人の「疑似的な性機能」

文字数 1,152文字

松本華奈が至近の距離に立った。
しかし、ロボット立花隼人は、何の「反応」も見せない。

松本華奈は、また少し切れた。
「オバサンだから無反応なの?」
「マジに気に入らない」

立花隼人は、冷笑した。
「もともと、人間のように血液が流れているわけではない」
「血液の集中がないのだから、変化も反応もありえない」
「全ては、事前に設定されたプログラムにより、動く」
「あなたのように、オバサンだろうが、あるいは若い娘であろうが、変化しない場合もあるし、変化する場合もある」
「そもそも、ロボットに、そのような疑問や感情を持つこと自体が、考えられないのだが」
「それとも、自分の欲求不満のはけ口を、この私に求めているのか?」

松本華奈は、顔を真っ赤にした。
「警護役として、確認したいと」
「学園に通えば、若い女生徒も多いことですし」
「万が一もあるのですから」

立花隼人は、愛らしい顔で頷いた。
(松本華奈は、立っていられないほど、「ゾクゾク」している)
「いわゆる、疑似性機能は設定されている」
「様々なバイブレーションが、5000種類、5000レベルで、展開する」
「継続可能時間は、フルパワーで4000年設定されている」
「この説明でいいか?」

松本華奈は、欲望を抑えきれなかった。
バイブレーションの5,000種類と5000レベルを危険とは思ったが、とにかく「味見」をしたくなってしまった。
(「味見」をしておけば、近づく女どもに「警告」を与えることができる、そんなことも思った)
「あの・・・ごめんなさい」
「オバサンですが、欲求不満を解消したいと思います」
「・・・お相手を・・・お願いします」
(舌がもつれた、身体の芯が、異常なまでに高まっていた)
(松本華奈も、スーツを脱ぎ捨て、全てをさらけ出した)

立花隼人は、冷ややかな顏に戻った。
「断ると言ったら?」

松本華奈は、悔しくて涙が出て来た。
「女に恥かかせるの?」
「このまま、放置するの?」
「ロボットって悪魔なの?」

立花隼人は、松本華奈の(真っ赤に染まった)全身を観察した。
憐れむような表情を見せた。
「限界のようだな」
「最弱レベルで、対応する」
(そのまま、瞬時に松本華奈を抱きかかえた)

「あ・・・」
(松本華奈は、途端に「身体の快楽天国」を感じた)
(「快楽天国」のまま、動けない)
(快楽過ぎて身体に力が入らない)

立花隼人の冷ややかな声が聞こえた。
「最弱レベルの最初の動き」
「ただ、抱いただけだ」
「それで、果ててどうする?」
「何のための確認だ?」

松本華奈は泣き出した。
「どこまで意地悪なの?」
「気持ち良過ぎて、どうにもならないの」
(今後の不安まで、感じている)

立花隼人の声がやわらかくなった。
「しかたない、これが人間のレベルだ」
「少し、寝るか?」
(松本華奈は、そのまま、お姫様抱っこされ、ベッドに寝かされている)
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