第5話 何かしら付いてきました? (11)

文字数 1,269文字

 そうなんだよね、実は死んだ人達を生き返らせるといった作業を行っていないから。俺は(うち)のカミさんを呼び止めたんだよ。

 したらね、カミさんも「あっ、ああああああっ! 忘れていました!」と、述べながら慌ててこちらに向かってきたよ。

 それも笑って誤魔化しながら。

 俺はね、そんな、お茶目な所もある(うち)のカミさんを見てさ、本当に可愛いと思ったよ。

 まあ、直ぐに切れて女王様モードに入る悪い癖もあるんだけど。でもさ、それはあくまでも他人に対してであって、俺に対しては本当に最初の "あれ" だけだったよ、"あれ"だけ……。その後からは、こんな感じで夫婦喧嘩をしながらだけど。如何にも姉さん女房といった感じで、細かい事まで気を使ってくれながら、良く俺に尽くしてくれると思うよ。

 だからまあ、取り敢えずは、良かったいうか、まあ、カミさん優しいから、幸せなぁ? と、俺は思う……。

 あああ、そうそう、死んだ人達を生き返らせるとか、先程 俺達夫婦が述べていたけれど。
 あれはね、完全に人を人として蘇らせる事はいくら神様でも無理らしい。でもね、骨のオジサン達と一緒でね、精霊としてならいけるみたいだよ。

 だからね、今迄きた町や村でも、死んだ人達を生き返らせてきたんだよ。まあ、人とは違う種族にはなるから。家族や恋人、友人等とは寿命が変わるのだけれども。取り敢えずは生き返るから、皆喜ぶし、俺自身も罪悪感が小さく済むのが助かるよ。
 それにさ、生き返っても、皆さんが骨のオジサン達の容姿を見ててもさ、化け物モンスターじゃない? と、思うだろうけど。あれは俺がね、まだ召喚の仕方と要領が解らないから。ついついと自分の脳の中でスケルトンをイメージしたから、あんな容姿になった訳で本当に悪いと思うよ。

 それにさ、精霊として蘇った人達だけど。普通に人と変わらない様に生活も出来るし、知能もあるみたいでね、前世の記憶もあるらしい。だから夫婦や恋人がいる人などは、普通に仲良くしてれば子供も出来ると(うち)のカミさんが述べてたから。
「うそぉ、おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
 と、大変に大きな声を出してビックリしてしまったよ。
「いいえ、本当です。それにあなた大きな声を出さないでください、うるさいですから……」
 (うち)のカミさん、両手で耳を抑えながら説明をしてくれた。

 ……でもさ、俺がビックリするのは仕方がないと、皆さんもは思わないかい?

 だってあんな容姿だけど、骨のオジサン達も結婚する事が可能で、子供もちゃんと作れるらしい、それに俺は、ついついとオジサン達と述べているけど。実はね、容姿があんな感じだから解らないだけで、実は年齢の方も十代後半か二十代前半らしいよ。

 もうね、それを聞いた途端に俺は、バスの中での夫婦の仲良くは、「これからは、バスでの夫婦の仲良くはもうしないし! 禁止だから! 解った、フレイヤ?」と、述べたもんね。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み