第5話 何かしら付いてきました? (3)

文字数 1,074文字

 その無線通信が終わると、俺達夫婦が乗っている大型護送車の骨のオジサン達は、慌てて外へと駆け出して行ったから。俺も慌てて車窓から外を見て確認をしたよ。

 するとさ、後続の大型護送車やパトカーのドアの音が『ドン! 』『キ~ィ、ガシャン』と、開いて閉まる音と共に。後続からも骨のオジサン達『ゾロゾロ』と、拳銃やライフルを持って、駆け足で町へと向かっていった。

 この後町で何が起きたかは良く解らないから?
 皆には無責任で、女房に対しての監督不行き届きだと思われるかも知れないけれど。サドバージョンの時のカミさんは、俺自身もついついと先程の悪夢を思い出して萎縮していまい注意が出来ないんだ。

 でもね、町からは、重い金属的な衝撃音が、何度も響き渡るし……。周りの山間からも木霊するね。

「うぎゃ、ああああああっ!」

「助けてくれ──」

「ううう……。殺される……」

「うわぁ、ああああああっ! お父さん──お母さん──助けて──」

「儂はどうなって良いので──妻と子供だけは、助けてください……」

 するとさ、こんな感じで、町から人々の恐怖におののく声や奇声までもが、車まで聞こえてくるから。
 俺もこれは流石に不味いと思って、(うち)のかみさんに尋ねてみた。

「おっ、おい、フレイヤ? こっ、これって、流石に不味くはないか?」

 俺少し顔も青褪めているし……。先程も述べた通り、カ、カミさんが怖いけれど。勇気を出して尋ねたよ。

「……ん? あなた、何が不味いのですか?」

 (うち)のカミさん、何も気にした素振りも無く俺に尋ねてくるから。
「な、何が不味いって、町で罪も無い人達が、死んでいるんじゃないのか?」
 と、俺は尋ね返したのだが。
「えっ? あああ、死んでるかも知れませんね? まあ、地上の民は神が作った物ですから別に問題はないですよ」
 何も罪悪感も無く、俺に話しをするから……。ちょっとね、俺は怒りが込み上げてきたよ。
 だから、憤怒して、(うち)のカミさんに文句を述べた。

「フレイヤ! お前なぁ、神、神と述べてるけど。神がそんなに偉いのか! それに街の人達だって、頑張って生きているんだぞ! ……それなのにお前は、罪も無い人達をあんなに殺して…… 」

 俺はね、(うち)のカミさんに、こんな感じで、文句を述べたんだけど。

 ううう……。悔しくて、本当に情けないよ。

 特に(うち)のカミさんは、美と豊穣の女神フレイヤなのに、何て酷い事するんだと正直思ったんだけれども……。
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