第1話 前世からの女性?  (14)

文字数 943文字

 それも、彼女は体を『プルプル』と、震わせながら。

「あっ、あなた──今何とおっしゃいましたか?」

 妖怪鬼婆──自分自身の額に青筋を立てながら、俺に述べてきたよ。それも顔をひきつらせながらだよ。

 だからね、俺は彼女、何故そんなにも憤怒しているのと思うじゃない?

 俺が女神様を怒鳴るつもりでいたのにね。
 もうそれ所ではないんだよ。俺の目の前には鬼婆が仁王立ちをしているから。

 女神様、頼むから鬼婆のような形相は辞めよう……

 美の女神アフロディーテ様なのだからニコニコ微笑んでいようよ。
 そうすれば世の男性達は、皆がトロ~ンと、彼女の美しさと、フェロモンから出る媚薬とで、コロンとしてしまい。その場にヘロヘロと幸せそうな顔して倒れこんでしまうと思うから。

 だって、先程からの彼女のクシャクシャな泣き顔とか、今の憤怒した鬼婆仕様の顔でさえも、野次馬の男達が、この場に集まり慌てて、スマートフォンで写メや動画の撮影をしているぐらいだから。

 それでさ、動画の題が凄いんだよ、というか、俺の事を馬鹿にしている? と、思う題だよ。
 だって、現在版のリアル美女と野獣とか記載しているんだ。
 だからね、俺、こいつら皆殴ってやろうか? と、思ったんだよ。

 でもね、良く見るとさ、次から次へとアリのように沸いてくる男達──そしてその後に、彼女のフェロモン媚薬攻撃を食らって、皆その場に倒れこんで気絶だをしているのだ。次から次へとね。

 本当に不思議なくらい……

 でもね、まあ、俺には、そんな色気攻撃というか、女神様を見ても全然にそんな感覚にはならないよ。

 相変わらずだけど、俺の心の奥底にいる誰かが、「こいつ嫌いだ、早くいこぜ」と、述べて来てる気がするんだ。

 まあ、俺の気のせいかも知れないけれど?

 でもね、取り敢えずは、女神様に尋ねてみようと思うんだ?

 俺に何やら憤怒しているようだけど、俺って何か変な事をお姉さんに述べたっけ?

 それに俺に何をどうして欲しいのか?

 と、嘆願しているようだけど。相変わらず意味が分からないしね。

 う~ん、でも、彼女の憤怒している様子を見る限りでは、尋ねても大丈夫なのかなと思ってしまうけど。

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