第22話
文字数 497文字
月曜日、気が乗らないまま出勤し、帰宅の途につく。少し迷ったが、日々の習性は簡単に変わらない。気が付くとキブンイーブンの敷居を跨いでいた。あの中学生達はいなかった。
来ちゃったよ、と一人で気まずい思いをしながら、目はレジに向かう。彼女は、いない。やっぱり昨日のジャージ女は……。
夜だが、ちょっと頭を覚ます必要があると思い、ホットコーヒーを注文する。今夜も「ちょう」さん。イクセルシートはしっかり見える。「矢口真紀子」さん、本日の欄は○。目を疑う。いないじゃないか? 今日こそ休憩中かと考えたが、ホットコーヒーを片手に店内で粘る訳にはいかない。
マンションに着き、郵便受けを確認した。もう「売却しませんか」なんてチラシが入っている。世の中の動きは激しい。そしてふと思い立ち、再びエントランスへ出た。新しい入居者の名前を確認できるかもしれない。防犯カメラに撮られるのは仕方が無いが、極力不審に映らないようにせねばなるまい。
だが、六十戸くらいあるのだ。簡単に分かるはずはない。荷物用ロッカーを操作するふりをして、再びキーをかざした。無機質な自動ドアの音が、こだまする。
ああ、何してんだろうなあ。
来ちゃったよ、と一人で気まずい思いをしながら、目はレジに向かう。彼女は、いない。やっぱり昨日のジャージ女は……。
夜だが、ちょっと頭を覚ます必要があると思い、ホットコーヒーを注文する。今夜も「ちょう」さん。イクセルシートはしっかり見える。「矢口真紀子」さん、本日の欄は○。目を疑う。いないじゃないか? 今日こそ休憩中かと考えたが、ホットコーヒーを片手に店内で粘る訳にはいかない。
マンションに着き、郵便受けを確認した。もう「売却しませんか」なんてチラシが入っている。世の中の動きは激しい。そしてふと思い立ち、再びエントランスへ出た。新しい入居者の名前を確認できるかもしれない。防犯カメラに撮られるのは仕方が無いが、極力不審に映らないようにせねばなるまい。
だが、六十戸くらいあるのだ。簡単に分かるはずはない。荷物用ロッカーを操作するふりをして、再びキーをかざした。無機質な自動ドアの音が、こだまする。
ああ、何してんだろうなあ。